ロマン・グロージャンが、ハースF1チームのオーナーであるジーン・ハースは現在のチーム状況をよく理解していると語った。
2016年にF1参戦を開始したアメリカンチームのハースだが、オーナーを務めるジーン・ハースはNASCARのスチュワート・ハース・レーシングの共同オーナーとしても知られている。
今季のF1第19戦アメリカGPが開催された先週末のオースティンではグロージャンにそのNASCARマシンをテスト走行する機会も与えられ、初めてNASCARマシンでのドーナツターンにも挑戦していた。
ハースF1は参戦3年目の2018年にはコンストラクターズランキング5位に上昇するなど、フェラーリとの技術提携により新参F1チームとしては異例とも言える順調な足跡を残してきている。
ところが、今年は公式タイヤサプライヤーのピレリが供給する2019年仕様タイヤにうまく対応することができずに大きな不振に陥ってしまい、コンストラクターズランキングも現時点では9番手に沈んでいる。
2016年と2017年はランキング8位で終えていたハースだが、今季は残り2レースで現在7ポイント差がついているアルファロメオを逆転できなければ、F1参戦開始してから最悪のシーズンとなってしまう。
ランキング9位で終えてしまえば受け取ることができるF1収益分配金も大幅に減ってしまうことから、最近ではジーン・ハースがF1撤退も考えるのではないかとのうわさもささやかれ始めている。
だが、ハースのチーム代表を任されているギュンター・シュタイナーは、2020年にはまったく別のハースF1チームを見せるつもりだと次のように語った。
「あと残り2レースだけとなってほっとしているよ」
「来年はチームの歴史において新たな本を開くことになる。新たなページではなく、新たな本をね」
2016年からハースのドライバーを務めてきているフランス国籍のロマン・グロージャンは、オーナーのジーン・ハースがモーターレーシングには浮き沈みがつきものだということをよく理解しているだけにチームの将来を不安に思うことなどないと次のように語った。
「レースをよく知り、それにまつわる事情をよく知っているジーン・ハースがいることは僕たちにとって大きな助けなんだ」
「彼はまた、物事が常に望むようには進まないということも理解している。彼は僕たちのチームを築く上でものすごく力になってくれたよ」
一時は今季限りでシート喪失かともうわさされた33歳のグロージャンはそう語ると、次のように付け加えた。
「もちろん、NASCARとF1はすごく違うよ。だけど、彼はその両方をよく知っていて、それが大いに役だっているよ」