アルファロメオとなったザウバーは、創設者ペーター・ザウバーが1970年に活動を開始した独立系レーシングチームだ。
世界スポーツカー選手権の王者「チーム・ザウバーメルセデス」は、1993年にメルセデスの支援を受けてザウバーとしてF1初参戦。そして2018年を最後にF1に別れを告げることになり、ひとつの時代が終わった。
■ザウバーがアルファロメオになるのは自然な流れ
ザウバーがアルファロメオ・レーシングとしてリブランドするという決定は当然のステップとも言える。ザウバーの2018年シーズンのラスト3レースは純粋なペースで4番目に速いF1マシンだったのだ。
独立系レーシングチームとして活動してきたザウバーは、多くの優秀な若手ドライバーを発掘してきた。その中には2007年F1チャンピオンのキミ・ライコネンもいる。
ザウバーはF1で戦い続け成功するため、2006年から2009年までBMWに売却し『BMWザウバー』として活動したこともあった。その際、当時のBMWモータースポーツのボスであるマリオ・タイセンは「BMWによって運営されているが、コアは300人のザウバーの従業員だ」としていた。
創設者ペーター・ザウバーはチームを家族のように扱っており、BMWが撤退を発表しチームを買い戻した理由も「チームと数百人のスタッフの将来を守るため」と発言しており、個人的に大きなリスクを冒してまでF1に復帰した。
■ザウバーのハイライトTOP5
ザウバーのハイライトを5つ挙げよう。
1つ目はBMWザウバー時代の2008年カナダGPでロバート・クビサが挙げたザウバー唯一の勝利だろう。
2つ目は2001年のコンストラクター選手権で脅威の4位になったことだ。
3つ目は同じ2001年にフォーミュラカーでわずか23レースの経験しかないキミ・ライコネンをF1デビューさせたことだ。その他多くの若手ドライバーを発掘し、排出してきた。
しかし長い歴史の中で良いことばかりではない。4つ目は2014年、F1参戦以来唯一の0ポイントで終えたシーズンだった。
5つ目は2016年の財政難だ。この際ペーター・ザウバーは「チームの将来を守る」とし、ロングボウ・ファイナンス社に売却した。
■ペーター・ザウバー・ウェイ(The Peter Sauber way)
ザウバーは窮地に追い込まれながらも何度も戦いの場に戻ってきていた。そして1985年以来となるアルファロメオの名を2018年からF1に復活させていた。
ザウバーのブランドネームは26年でF1から消えることになったが、F1で戦い続け成功するための一つの良い例とも言えるだろう。ザウバーのオーナーシップと運営体制、そして当初から一緒に働いてきた多くのスタッフの雇用は維持される。これは創設者ペーター・ザウバー・ウェイ(やり方)でもあるのだ。
■アルファロメオ・レーシングの新車発表は2019年2月18日(月)だ
Frame the date. The future revealed. #AlfaRomeoSauberF1Team #GetCloser pic.twitter.com/3EQTjDor0l
— Alfa Romeo Racing (@SauberF1Team) 2019年1月21日