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イギリスのEU離脱問題を懸念するF1チーム首脳たち

2018年12月13日(木)18:46 pm

F1チームの首脳たちが、現在イギリスで起きているEU離脱危機に対して不安のまなざしを向けている。

■F1にも重大な影響を及ぼす英国のEU離脱問題

イギリスでは2016年に行われた国民投票の結果、EU(欧州連合)から離脱することが決定。だが、現在も国内世論はEU離脱か残留かで真っ二つに分かれており、テレサ・メイ首相の不信任問題にまで発展したほどだ。

現在、F1チームのほとんどがイギリスに拠点を構えており、その中にはトップチームであるドイツ籍のメルセデスやオーストリア籍のレッドブルも含まれている。

■歓迎できる状況ではないとメルセデス

イギリスのEU離脱問題について質問を受けたメルセデスのトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)は次のように答えた。

「それに関しては非常に注意深く状況を見ているよ。我々はイギリスで大きな事業を行っているからね」

「我々のところではEU市民が仕事をしているし、EUから多くの品物を輸入している。我々はそれらが国境で立ち往生してしまうことがないよういくつかの手を打ったよ。全体的に、あまり歓迎できる状況ではないね」

■フランスのルノーも状況を懸念

フランスのチームであるルノーもファクトリーはイギリスのエンストンに置いている。ルノーF1プロジェクトを率いるマネジングディレクターのシリル・アビテブールもこの問題を憂慮しているとし、次のように語っている。

「とりわけ、品物や人材の動きに関してね」

「我々はここ数年において非常に急速な成長を遂げたが、それは特にイギリスから可能性のある人材が来てくれたおかげだったんだ。有望な若者や学校を出たばかりの人材がね。そして我々はそれが変わってしまうことを望んでいない」

「F1にとっても劇的変化が起こりうるものだ。だが、私はイギリス当局が、イギリスの産業のひとつの柱となっているものを失うことになれば、それは自分たちにとって好ましいことではないということを理解しているはずだと信頼しているよ」

■最終的には解決策が見つかるはずだとレッドブル

一方、やはりイギリスのミルトンキーンズにファクトリーを構えるレッドブルのクリスチャン・ホーナー(チーム代表)は、イギリスは最終的にはいい解決策を見つけることができるはずだと次のように語っている。

「最終的には、もし我々に競争力があり、いい仕事ができているならば、みんなはイギリスとのビジネスを継続するだろうと私は思っている」

「現時点では乱気流が吹き荒れているのは確かだ。だが、今後数週か数か月のうちには解決策が見つかるだろうと期待しているよ」

■F1全体から見ればベストではないとフェラーリ

そうした中、イタリアに本拠を構えるフェラーリのマウリツィオ・アリバベーネ(チーム代表)は、これは今後イギリスから有能な人材を獲得できるいいチャンスになるかもしれないと考えている。

「すべてが現在発表されている方向に進むとしたら、私は近い将来多くの人材がマラネロ(フェラーリ)のドアをノックするだろうと考えている」

そう語ったアリバベーネは次のように付け加えた。

「だが、F1全体にとっては、それは本当にベストなシナリオではない。だから彼らが解決策を見つけられることを期待しているよ」

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