一時はシート喪失の危機にあると言われていたロマン・グロージャンだが、来季もハース残留の可能性が高まってきているようだ。
■4戦連続トップ10フィニッシュを果たしたグロージャン
今季のグロージャンにはミスも多く、チームメートのケビン・マグヌッセンに獲得ポイントでも大きなリードを許している。だが、第9戦オーストリアGPで今季初ポイントを獲得したグロージャンは、第11戦ドイツGPからは3戦連続でポイントを獲得するなど、安定感が戻ってきていた。
先週末に行われたF1イタリアGPではレース後に車両規定違反による失格となったものの、レースでは6番手でフィニッシュしていた。つまり過去4レースすべてでトップ10フィニッシュを達成したことになる。
■ハースは現ラインアップ継続か?
さらに、グロージャンの来季残留が濃厚となったと考えられるようになった理由がもうひとつある。
それは、フェラーリが今季ザウバーからF1デビューを飾った育成ドライバーのシャルル・ルクレールを2019年にはハースに移籍させたいと考えていたものの、ハースのオーナーであるジーン・ハースがそれを断ったと伝えられているのだ。
つまり、ハースは今季のマグヌッセンの活躍に満足しているとともに、最近復調してきたグロージャンを来季も残留させる方向で考えていると見て間違いなさそうだ。
■普通の状態に戻ったとグロージャン
32歳のグロージャンは、デンマークの『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』紙に次のように語った。
「シーズンがスタートしたころの自分をあまり誇りに思うことはできなかった。だけど、いつかカギを見つけられるだろうということは分かっていたんだ。そして今、僕は普通の状態に戻ったよ」
■現在のグロージャンを評価するシュタイナー
グロージャンのそのコメントについてどう思うかと質問されたハースのチーム代表ギュンター・シュタイナーは、「彼がまたそのカギをなくさないことを願うよ!」と語り、次のように続けた。
「彼がまたなくしたときに備えて、どこにそれをしまってあるのか聞いておいたほうがいいね。そしてそれに赤い糸をつけておく必要があるよ」
「冗談はともかく、ロマンはもう長いことレースをしているし、経験も非常に多い。彼は自分自身との付き合い方を知っているんだ。だから、彼がそう言うのなら、私もそれがうまくいくよう期待している」
「それがロマンがいつものようにやる方法なんだ。我々は彼が常にそうできるようにし、浮き沈みを避けていかなくてはならないんだ」
そう語ったシュタイナーは次のように付け加えている。
「できることには限界があるものなんだ。だが、今の彼はうまくやっていると私は思っているよ」