ダニエル・リカルド(レッドブル)は次戦F1カナダGP(10日決勝)でグリッド降格ペナルティーを受けずにすみそうだ。
■PUトラブルを抱えながらもモナコ優勝を果たしたリカルド
前戦モナコGPでF1キャリア初のポール・トゥ・ウィンを飾ったリカルドだが、レースが中盤に差し掛かろうというときにPU(パワーユニット)コンポーネントのひとつであるMGU-K(運動エネルギー回生システム)に異常が発生してしまっていた。
「パワーが失われた感触があって、もうレースはこれで終わりかと思ったよ」
そう述懐したリカルドだが、コース上での追い抜きがほぼ不可能なモンテカルロ市街地サーキットの特性にも助けられ、ペースを大きく落としながらも見事に最後までトップの座を明け渡すことなく先頭でチェッカーフラッグを受けていた。
■リカルドのカナダでのグリッド降格は回避
しかし、MGU-Kは今季のルールでは年間2基までしか使用できないことになっており、それ以上投入すればグリッド降格ペナルティーを受けることになってしまう。リカルドがモナコで搭載したPUにはすでに今季2基目のMGU-Kが使われており、モントリオールで行われる次戦ではグリッド降格が避けられない状況だろうと考えられていた。
しかし、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』はリカルドはペナルティーを回避できそうだと次のように報じている。
「シリル・アビテブール(ルノー/マネジングディレクター)がヘルムート・マルコ(レッドブル/モータースポーツアドバイザー)に対し、MGU-Kは生き延びたと伝えた」
マルコもそれを認め、次のように語った。
「我々がモントリオールでグリッドペナルティーを受けることはなさそうだ」
「だが、どこかの時点で、今後行われるレースのうちどこかでは(ペナルティーを)くらうことになるよ」
■ルノーの改良PUに期待するレッドブル
しかし、レッドブルでは逆にカナダGPにはかなり期待をしているようだ。ルノーが改良型PUをそこで投入することを予定しているためだ。
モナコで第3戦中国GPに次ぐ今季2勝目をあげたリカルドは、現在ドライバーズランキングで3番手につけている。トップのルイス・ハミルトン(メルセデス)とは38ポイント差、2番手のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とは24ポイント差と大きな差がついてしまってはいるものの、マルコはまだリカルドには今季のF1タイトルを獲得するチャンスはあると次のように主張している。
「我々には今素晴らしいクルマがある。バルセロナ(第5戦スペインGP)で投入された改良がベースとなっているんだ。バーレーンでの技術的問題発生やバクー(第4戦アゼルバイジャンGP)での同士打ちさえなければ、我々はトップに並ぶところにいただろう」