ルノーのF1プロジェクトをリードするシリル・アビテブール(マネジングディレクター)が、来季のPU(パワーユニット)供給に関するレッドブルとの交渉がスタートするのはF1モナコGP(27日決勝)が終わってからになると語った。
現在、レッドブルが2019年もルノーPUでいくのか、あるいはホンダPUにスイッチするのかはまだ不透明な状況だ。
ルノーは当初5月15日(火)までにレッドブルに決断するよう求めていたが、最近その期限を5月31日(木)まで延期したと伝えられていた。
■レッドブルに最終期限は設けないとルノー
そして、アビテブールはこのほどスペインの『El Mundo(ムンド)』紙に、レッドブルとの話し合いは来週末のモナコGPが終わってから始めることになると次のように語った。
「すべては5月末から始まることになる。モナコの後すぐにね」
「我々は最終期限を提示するつもりはない。それは我々のスタイルではないからね。だが、無期限に延期することはできないよ」
■ルノーPU搭載チームが2チームに減ってもかまわない
しかし、アビテブールは仮にレッドブルへのPU供給が今季で終わってもそれには対応できると次のように続けている。
「レギュレーションの変更に伴って緊急的に対応すべきこともある。だからもしレッドブルが我々のエンジンを望むのであれば、彼らはそのことを我々に伝えなくてはならない。もし合意が得られなければ、我々は(PU供給を)ルノーとマクラーレンにとどめることになるだろう」
「我々は3チームに供給しなければならないというわけではないからね」
■サインツ問題もからんで交渉は複雑に?
だが、ルノーにとってレッドブルの交渉はカルロス・サインツの件もあって少し複雑なものになる可能性もありそうだ。ルノーでは契約上はレッドブルの支配下にあるサインツを今季は借りている状態となっている。
ルノーは2019年もサインツの続投を望んでいるものの、仮にダニエル・リカルドが今季限りでレッドブルを離脱することになればレッドブルはサインツを呼び戻して2019年にレッドブルに昇格させる可能性が高いと考えられている。
「彼のレッドブルとの契約に関しては誰もが知っている」
「もしすべての関係者が望めば、それを終わらせる方法があることも我々は分かっている」
そう語ったアビテブールは次のように付け加えた。
「我々は12年間にわたってあらゆる種類の問題についてレッドブルと話し合いを行ってきた。だからこの問題についてもすぐに話し合う機会を多く持てるだろうと確信しているよ」
ともあれ、来季レッドブル・ホンダが誕生するのかどうかが分かるのは早くても6月に入ってからということになるのは間違いなさそうだ。