3年間におよんだホンダとの契約を昨年限りで解除し、今年はルノーからPU(パワーユニット)の供給を受けているマクラーレンだが、2月末から2回に分けてバルセロナで合計8日間にわたって行われた公式シーズン前テストでは何度もトラブルが発生。今年もテストでの合計周回数は全チーム中最少となってしまっている。
トラブルが発生したマクラーレンの2018年型マシンには焼け焦げた跡や緊急排気システムが作動した形跡が認められているが、マクラーレンがあまりにもアグレッシブなマシン設計を行ったことでこうしたトラブルが多発することにつながったのではないかとの声もある。
■野心的な設計が成果を生むはず
だが、マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエはこうした指摘に対して次のように反論した。
「トップに返り咲くことを目指すのであれば、攻めの開発をするしかないんだ」
「我々は野心的な設計を行ったが、最終的にはそれが成果を生むはずだ」
■まだ問題を克服することはできていない
しかし、8日間にわたったテストでほぼ毎日のようにトラブルを抱えていたマクラーレン・ルノーにとっては2週間後に迫った2018年F1開幕戦オーストラリアGP(25日決勝)で完走できるかどうかも危ぶまれる状態にあるのは確かだ。
ブーリエも「まだ十分な対応はできていない」と認め、次のように付け加えた。
「確実に問題がある部分をすべてつきとめることができたとは言えないよ」
だが、ブーリエはそうした状況にあっても前向きな兆候も見られると主張している。それはフェルナンド・アロンソがクルマのバランスには満足できているということだ。ブーリエは次のように続けた。
「彼は十分にこのクルマを評価することができたと言っているよ。もちろん、エンジニアたちにとっては十分ではないがね。彼らはもっとデータを調べたいと思っているよ」
■今は中団グループの中に位置
しかし、ブーリエは3強チームと言われるメルセデスAMG、フェラーリ、レッドブルに追いつくのは難しいにせよ、それに次ぐ位置を争うところまではいけるはずだと考えている。ブーリエはバルセロナでのテストを振り返りながら次のように語った。
「上位を占めるのはメルセデスAMG、レッドブル、そしてフェラーリだ。それに続くグループはかなりの接戦状態だった。そして我々はその中間にいるよ」
■最初の3レースが終わってから再評価を
一方、F1関係者やファンの中には、ホンダを見限ったもののマクラーレンは結局いまだに危機的状況から抜け出ることができていないと嘆き、あるいは批判的なコメントを行っている者も少なくない。
ブーリエはこうした声に対し、次のように切り返した。
「シーズンが始まって3レースを終えた時点でまたこの話題に戻ってくることを提案するよ」