フェリペ・マッサが、自分が引退したことにより現役F1ドライバーの中にブラジル人が1人もいなくなってしまった現状を嘆いた。
■2018年のF1はブラジル人ドライバー不在に
マッサは2002年にザウバーでF1デビューを飾ると2006年から2013年までF1きっての名門チームであるフェラーリで活躍。2014年にウィリアムズへ移籍したマッサは2017年シーズンを最後にF1ドライバーとしてのキャリアに終止符を打っている。
その結果、2018年のF1にはブラジル出身ドライバーが1人もいないという状況を迎えることになった。
■名F1チャンピオンたちを輩出していたブラジル
フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』から、2018年シーズンのF1グリッドに1人もブラジル人がいないのを残念に思うかと尋ねられたマッサは次のように答えた。
「もちろんそうだよ」
「僕の国は(アイルトン)セナ、(ネルソン)ピケ、(エマーソン)フィッティパルディなどのドライバーを輩出したF1にとって不可欠なものだからね。僕もその一員でいられたことを誇りに思っているよ」
「心配なのは、すぐにほかのドライバーがF1に行くというような兆候がまったく見られないことだよ。これにはブラジルの経済情勢も関係している。だけど問題はそれだけじゃないんだ」
■ブラジル国内の若手育成活動改善に期待
そう語ったマッサは、現在のブラジルには若いドライバーを育成することが可能な仕組みがないのだと次のように続けた。
「カートからシングルシーターへと進むための準備ができるものは何もないし、成長するためのチャンスを最も多く与えてくれるヨーロッパのレースに備えるための国内シリーズもないんだ」
「今では多くの国でF4が行われているけれど、僕はブラジルにもああいう選手権が必要だと思っているよ」
「ブラジルの自動車連盟には新しい会長が誕生したんだ。彼が若い人たちが何かをするための新たな推進力を発揮してくれることを本当に願っているよ」と36歳のマッサは締めくくっている。