伝説的元F1ドライバーのニキ・ラウダが、“グリッドガール”の廃止を決定したリバティ・メディアに対する反論を展開した。
現在はメルセデスAMGの非常勤会長を務めていることでも知られるラウダは、母国オーストリアの『Der Standard(シュタンダルト)』紙に対し、今回の決定は「全く理解ができない」と語り、次のように続けた。
「こんなばかげたことがあるかな? 女性は自分たちを解放したし、非常にうまくやっているよ。だから、今回の決定は女性の意志に反するものだ」
■まだグリッドガールを復活させる手も?
実際のところ、リバティ・メディアがグリッドガール廃止を決定したとのニュースが流れて以来、これまでF1のグリッドガールを務めた経験を持つ女性たちの多くがツイッターやメディアを通じて自分たちが仕事を失うことに対する失望の意を表明している。
「このようなF1の伝統をやめてしまうのは非常に残念なことだと私は思う。何よりも、女性たちがみんなそれに賛成していないんだからね」
そう続けたラウダは、まだ今回の「決定をくつがえす」ことも可能ではないかとも語り、次のように付け加えている。
「女の子たちのとなりにグリッドボーイがいても、私は気にしないよ。いいだろう?」
■今回の決定に女性の意向は反映されていない
今回の問題に関しては、グリッドガールという仕事が存在することにより、女性がモータースポーツのほかのエリアにおいて成功を果たすことの妨げになるという意見もあるようだ。
だが、こうした声に対しても、ラウダは次のように批判している。
「私は女性をおとしめるのではなく、むしろ応援したいと思っている。だが、またしても決定を下したのは男たちなんだ。女性たちの考えを聞かずにね」
■鉱山から鉱夫をなくすようなもの
ラウダ以外にも今回のグリッドガール廃止という決定を好ましく思っていないF1関係者は多いようだ。
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、リバティ・メディアが行った今回の判断は「ばかげている」とドイツの『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』に語っている。
また、前F1最高責任者のバーニー・エクレストンもイギリスのメディアに対して次のような反対意見を述べている。
「あの子たちは誰に対しても有害な存在などではなかった」
「無理やり何かをさせられたと訴えた女の子がいたという記憶もないしね」
かつてF1レースにグリッドガールを派遣した経験を持つスペインのモデル事務所責任者も『Marca(マルカ)』紙に「ばかな話だ。(グリッドガールは)ほかと同じ仕事に過ぎないんだ」と語り、次のように付け加えた。
「まるで鉱山から鉱夫をなくしてしまうようなものだよ。誰かがその仕事をする必要があるのにね」