これまで長期間にわたって運営されていたドイツでのF1有料テレビ放送が終わることになった。
イギリスに本拠を置くテレビ局『Sky(スカイ)』は、これまでイギリスやイタリアの市場では有料放送事業で成功を収めてきている。
だが、『Sky(スカイ)』が、2018年以降ドイツでの有料F1放送契約を結ぶことができなかったことが明らかとなった。
『Sky(スカイ)』のドイツ責任者を務めるカーステン・シュミットは『SID通信』に次のように語った。
「交渉において、我々は自分たちが掲げていた目標に到達することはできなかった」
■最終的には金額面で折り合わず?
『Sky(スカイ)』によるドイツでのF1放送が消えることになったことで、これまで同局でF1解説者を務めていた元F1ドライバーのマルク・スレールもその職を失うことになる。
そのスレールは、『Speedweek(スピードウィーク)』に次のようなコメントを行っている。
「最終的には金額的な問題だったのだと思う。独占放送も重要な課題だったが、RTLが新たな契約を結んだことでそれは意味をなさなくなってしまったからね」
ドイツではもともと『RTL』がF1無料放送を行ってきていたが、その契約は2017年までとなっていたため、条件によっては2018年以降はその契約が更新されず、ドイツでのF1無料放送がなくなってしまうかもしれないと言われていた。
だが、2017年12月に『RTL』が新F1オーナーであるリバティ・メディアと2020年まで契約を延長。少なくともあと3年はドイツではF1の無料放送が継続されることが確定していた。
スレールが示唆したところによれば、『Sky(スカイ)』では『RTL』よりも好条件の契約締結をリバティ・メディアに働きかけていたものの、リバティ・メディア側がその条件を飲まなかったようだ。
■「重要な市場」であるドイツに有料放送はまだなじまない
これについて、F1のマーケティング責任者であるショーン・ブラッチーズは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にその理由を次のように説明している。
「ドイツは非常に重要な市場だ」
「彼ら(ドイツ)はまだ無料テレビに別れを告げる準備はできていないんだ」
ドイツ出身のブラッチーズはそう述べると、次のように付け加えた。
「私はベルリン生まれだし、家族の多くがドイツで暮らしている。私のおじは熱心なF1ファンだが、もし我々が行き過ぎたことをやれば、彼はかなり怒っただろうね」