控えドライバーのいないF1チームは懸念を抱えている。
F1第11戦ハンガリーGPでは、ウィリアムズのフェリペ・マッサが体調不良で急きょ出走を取りやめ、土曜日の予選から控えドライバーのポール・ディ・レスタが代役を務めた。
この一件で明らかになったのが、控えドライバーを置いていないチームが多いことだ。
ディ・レスタの場合も、4年間F1で走行しておらず、ハンガリーに来ていたのも、イギリスのテレビ局で解説者を務めるためだった。
■原因はFIAのライセンスシステム
この問題でネックとなっているのが、FIA(国際自動車連盟)のライセンスシステムだ。
本来なら控えドライバーとなるべき若手ドライバーの中には、F1に出走するために必要なスーパーライセンスを所有していない者が多い。
現在のシステムについて、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、「ユーザーフレンドリーではない」と話している。
■マクラーレンも人頼み
マクラーレンのチーム代表エリック・ブーリエは、次のように話す。
「われわれには今もジェンソン・バトンがいるけれども、ぎりぎりで誰かが必要になったら、おそらくフェラーリに頼むことになるだろう」
フェラーリは、スーパーライセンスを持つアントニオ・ジョヴィナッツィを控えドライバーにしている。
■メルセデスAMGの控えはニキ・ラウダ?!
現チャンピオンのメルセデスAMGにも控えドライバーはいない。
トト・ヴォルフは、「ニキ(ラウダ/非常勤会長)をクルマに乗せるかな」とジョークを飛ばしたあとで、こう続けた。
「たぶん、われわれはポール(ディ・レスタ)を使うだろう」
「彼は信じられないような仕事をした。あのクルマを一度も運転したことがなかったのに、ランス・ストロール(ウィリアムズ)より0.7秒遅いだけだったんだからね」