2010年から2013年まで4年連続でF1タイトルを獲得したレッドブルだが、現行パワーユニットが導入された2014年以降はエンジンパートナーであるルノーの出遅れもあり、タイトル争いはおろか、メルセデスAMGやフェラーリが何かトラブルを抱えない限り優勝争いにも加わることができない状況が続いている。
【車載映像】スタート直後、レッドブルの同士打ちシーン/F1第11戦ハンガリーGP
2014年にレッドブルと契約を結び、2015年に史上最年少の17歳でジュニアチームのトロロッソからF1デビューを飾ったマックス・フェルスタッペンにとってもこれは誤算であったに違いない。
■現状に不満を募らせる“第二のセナ”
昨シーズン途中にジュニアチームのトロロッソからレッドブルへと昇格した“第二のセナ”とも呼ばれる19歳のフェルスタッペンだが、トップチームのレッドブルでフル参戦することになった今季はここまで非常に厳しい状況が続いている。
レッドブルの今季型車RB13が搭載するルノーパワーユニットはパフォーマンスばかりか信頼性にも問題があり、マシントラブルなどによりここまでの11レースのうち5レースでリタイアに終わるという結果となっているためだ。
ドライバーズランキングこそ6番手には位置しているものの、すでにトップのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)からは135ポイントも離されており、今季のタイトル争いからは完全に脱落してしまっている。
そうした焦りもあってか、先週末のF1ハンガリーGPではスタート直後のターン2でいきおい余ってチームメートのダニエル・リカルドのクルマに激突し、リカルドをリタイアに追い込むという失態すら見せてしまった。
現状に強い不満を覚えているフェルスタッペンは、フェラーリへの移籍を希望しており、2019年まで結ばれているレッドブルとの契約解除を目指しているとのうわさもある。
■まだ学ぶべきことがあるとレッドブル首脳
しかし、レッドブルのドライバー育成責任者を務めるヘルムート・マルコはフェルスタッペンにはもう少し忍耐が必要だとドイツの『Welt(ヴェルト)』に次のように語った。
「肝心なことは、マックスは世界でも最高レベルのドライバーたちの中にランクされているということだ」
「彼がF1選手権のプレッシャーのもと、どのように対応していくかを判断するのは難しいことだ。彼には今年5回も技術的トラブルが発生してしまったが、そこから見えてきたのは、彼はすべてに勝利を収めることを望んでおり、悪い結果に対して対応できる十分な自制力を持っていないということだ」
そう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「だが、彼もそれをこれから学んでいくだろう」