メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが、今シーズン限りでF1をやめる可能性もあると語った。
前戦F1カナダGPで自身通算65回目のポールポジションを獲得したハミルトンはアイルトン・セナと並ぶ歴代2位の記録に到達。今シーズン中にもミハエル・シューマッハが持つ歴代1位の記録68回に追いつき、追い越すことも可能なところまできている。
■今季でF1をやめても自分の価値は下がらない
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の機関誌『Auto(オート)』から、F1での自分の最終的な「遺産」はどのようなものになると思うかという趣旨の質問を受けたハミルトンは、次のように語った。
「僕の運命は自分の手の中にあるんだ」
「今年でやめようと決心することだってできるよ」
「そうしたら、あと5年後にやめるよりも自分の遺産の価値が減ることになるかな? そんなことは言えないよね?」
そう語った32歳のハミルトンは、次のように付け加えた。
「僕はそれ(引退時期)を計画したりするのは好きじゃないんだ。コーナーを曲がったところに何があるのかなんて分からないし、自分がこれから何をすることになるのかも分からないよ」
■今年は本当の戦いがある
今季は自身通算4度目のF1タイトルを狙うハミルトンだが、もしそれが達成できたら、昨年までチームメートだったニコ・ロズベルグと同じように突然の引退表明を行う可能性もあるかもしれない。
だが、現時点においては、ハミルトンが今季限りでF1をやめてしまうとは思えない。というのも、ハミルトンはレギュレーションの変更もあってフェラーリとの格差が縮まった今年のF1をかなり気に入っているからだ。
「うん、今は戦いを楽しめているよ」
「今はさらにほかのチームとも戦っているしね。(昨年までのように)チーム内での戦いしかなかったときにはまるで大きな渦の中にいるようだったし、どんどん関係悪化が進んでいた。実際、それはチームとして本来あるべき姿ではないよ」
そう語ったハミルトンは、次のように付け加えた。
「今はほかのチームとの戦いになっているし、みんなが同じ方向を向いて一丸となっている。さらにパワフルだし、本当にすごいことだよ」