フィンランド出身の元F1ドライバーであるミカ・サロが、同郷のキミ・ライコネンが「基本的には」すでにフェラーリ内でナンバー2の位置付けとされているのは確かだと語った。
先週末にモンテカルロ市街地コースで開催された今季のF1第6戦モナコGPで9年ぶりとなるポールポジションを獲得したライコネンだったが、決勝ではピット作戦の違いによりドライバーズランキングのトップにいるチームメートのセバスチャン・ベッテルに逆転されて2位に終わっていた。
珍しくライコネンがレース後にチームに対する不満の感情をあらわにしたこともあり、モナコでフェラーリがとったピット戦略は意図的にベッテルがライコネンの前に出られるように仕向けられたものだったとの見方をしている者も少なくない。
■基本的にはライコネンはすでにナンバー2
「ベッテルにはF1タイトルを獲得できるチャンスがあるんだ」
そう語ったサロは、次のように続けた。
「彼はハミルトンに対して非常にいい仕事をしている。キミはすでにポイントで大きく離されてしまっている。だから、誰に目にも基本的には彼がナンバー2ドライバーだと映っているはずだよ」
「もちろん、キミも数字的にタイトル獲得が不可能となるまではそれを信じようとはしないだろう。だが、チームの利益という観点からは、キミはおそらくナンバー2だね」
■すでに倍近いポイント差のベッテルとライコネン
実際のところ、現在129ポイントでランキングトップに位置しているベッテルはライバルのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)に25ポイント差をつけている。
そしてライコネンは、第5戦スペインGPをリタイアで終えたこともあり、すでにトップのベッテルからは62ポイントも離されてランキング4番手に位置している状態だ。
確実にライバルのメルセデスAMGからタイトルを奪い取りたいフェラーリが、ベッテル中心の戦略を展開しようとするのも無理からぬことだろう。
■今後明確なチームオーダー発令もありえる
サロは、今後の状況によってはどこかでフェラーリがライコネンに対してベッテルに順位をゆずるよう明確なチームオーダーを発令する可能性もあるだろうと考えている。
「そういうたぐいのことはもう起きないはずだ。しかし、そうなればピット戦略やそのほかのことよりももっと悪いものとなるだろうね」
そう語ったサロは、次のように付け加えた。
「まだそういうことは目にしていないけれど、もしベッテルがトップに立ち続け、たまたまどこかでライコネンのほうが速いというようなことがあれば、そうしたことが起きるはずだよ。そのときは順位を入れ替える必要が生じるだろうからね」