F1でコース上の見せ場が減っているのはルールの厳しさが原因だと元F1ドライバーのアレックス・ザナルディが語った。
1990年代にウィリアムズなどに在籍し、パラリンピック金メダリストでもあるザナルディの言葉をイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙が伝えている。
「今のF1? ちょっと退屈だね」とザナルディ。
「最近のスチュワードは自分がスターだと勘違いしている」
ザナルディは、アメリカのCARTシリーズで見せた伝説的なシーンを引き合いに出した。
「私が1996年にラグナセカのコークスクリューで限界で仕掛けた追い抜きのことは誰もが覚えている」
「でも今では、(F1で)ああいう仕掛けは不可能だろう。すぐにレースディレクターに罰されてしまう」
「ルールも変わったけれど、クルマも変わった」
「90年代のタイヤとエンジンパワーは、ドライバーの能力を如実に示すものだった」
今も「才能あるパフォーマーは多い」ものの、「私の世代はステアリングを握った真のアーティストだった」とザナルディは話す。
「しかし今は、追い抜きや、ほんの少しリスクのあるドライビングをしただけで厳しく罰されるから、ドライバーはペナルティーを恐れてリスクを冒す意志を持てない」
「その結果、ショーとしての魅力が減っているんだ」とザナルディは分析している。