今季限りでのF1引退を表明したニコ・ロズベルグの後任としてウィリアムズのバルテリ・ボッタス獲得を目指しているメルセデスAMGだが、この交渉をうまくまとめるためにはもう少し時間が必要なようだ。
メルセデスAMGではウィリアムズに対し、パワーユニットの供給費用大幅値引きなどの条件を提示し、ボッタスの契約譲渡を申し入れていると伝えられている。そしてウィリアムズでは、やはり2016年シーズン限りでF1を引退することになっていたフェリペ・マッサに対し1年間引退を先送りしてくれるよう打診しているとも報じられている。
■ウィリアムズとの交渉には注意深く時間をかける
すでにマッサがウィリアムズで2017年も走ることに合意したと伝えているメディアもあるが、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「我々はまだ決断を下していない。それは単にドライバーと我々のチームだけの問題ではないからね。我々はほかのチームに対して敬意を払う必要があるんだ」
「バルテリは選択肢のひとつだ。だが、我々は彼がウィリアムズにとってどれほど重要な存在であるかも分かっている。デリケートな状況だけに、注意深く動く必要がある。だから、我々としてもこれには時間をかけていこうと決めたんだ」
■ボッタスに関する利益相反問題は発生しない
一方、ヴォルフはボッタスのマネジメントにかかわっていることでも知られている。自分がマネジャーを務めるドライバーを自分のチームに入れれば利益相反という問題が発生するのではないかと懸念する声もある。だが、ヴォルフは、もしもボッタスがメルセデスAMGに加入すれば、自分はボッタスのマネジメントからははずれるつもりだと主張している。
「私はばかじゃないよ。4年前に私がダイムラーに加わったとき、私はある契約にサインしたんだ。だから、私はメルセデスのドライバーのマネジメントを行ったり商業的な利益を得たりするようなことはできないんだ」
そう語ったヴォルフは、次のように付け加えた。
「それは問題ではない。問題が起こるようなことはないんだ。利益相反を話題にしている人たちは、F1のことがよく分かっていないのさ」