F1最終戦アブダビGP(27日決勝)で、いよいよ2017年のチャンピオンが決定する。
有利に立つのはメルセデスAMGのニコ・ロズベルグで、チームメートのルイス・ハミルトンがたとえ優勝しても、2位か3位になれば自身初のタイトルを獲得できる。
ハミルトンは今シーズン何度かメカニカルトラブルに見舞われたため、ロズベルグは真のチャンピオンとは言えないのではないかという声もあるが、元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは違う考えだ。
「そんな雑音は数週間のうちに消えるよ。チャンピオンはチャンピオンだ」
■ベルガーが予想するハミルトンの戦略
ロズベルグが4位以下にならなければチャンスがないハミルトンは、間にレッドブルかフェラーリが入るように、ロズベルグを後ろに押しやるのではないかとベルガーは予想している。
「ハミルトンの立場なら、どんなドライバーでもそうするだろう」
「ドライバーが自分の可能性を最大限に高めるためにあらゆる手を尽くすのも、こうした状況ではまったく正当なことだ」
メルセデスAMGビジネス部門のエグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフも、ドライバーに自由にレースさせると話している。
「フェアプレーについてのわれわれの考えは、ニコもルイスも承知している。と同時に、われわれも、これがどれほど重要なものを賭けた戦いか承知している」
■ロズベルグには初タイトルに伴う重圧が
ロズベルグにのしかかる重圧について、ベルガーは次のように話す。
「ハミルトンはすでに3度のチャンピオンだから、このレースで失うものは何もない」
「しかし、ニコはこのタイトルを勝ち取らなければならない。F1では、もう一度チャンスが巡ってくるか絶対に分からないからだ」
3度の王者であるニキ・ラウダも、ロズベルグが土曜の夜によく眠れているといいがとドイツのテレビ局『RTL』に話し、次のように続けた。
「最初のタイトルが最も難しいものだ」
「カートからF1まで、ただ一つ望んできたのがF1チャンピオンになることなのだから。しかし、1回目にまとめ上げるのは簡単なことではない」
■妻を呼び寄せたロズベルグ
アブダビGPもほかのレースと同様に戦うと話しているロズベルグだが、今回はぎりぎりで妻のビビアンを呼び寄せた。
ロズベルグは『Bild(ビルト)』紙に次のように話している。
「彼女が来ることはずっと前から計画されていたんだ」
「彼女には毎レースそばにいてほしいけれど、それはもう無理だ」
2人の間には、昨年8月に女の子が生まれている。
「僕は前にいるルイスを見ているよ。後ろではなくてね」とロズベルグ。
「もちろんチェッカーフラッグを目にしなければならないけれど、この素晴らしいシーズンをぜひ優勝で締めくくりたい」