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フェリペ・ナッセ、ブラジルで9位入賞したことでシート確保の危機に?

2016年11月16日(水)18:38 pm

先週末にサンパウロで行われた今季のF1第20戦ブラジルGP決勝では、フェリペ・ナッセ(ザウバー)が9位入賞を果たし、これまでノーポイントだったチームに2ポイントをもたらした。

■ブラジルGPの活躍でF1キャリアの危機に陥ったナッセ

ところが、皮肉なことに、これによってナッセが今季限りでF1シートを失う可能性が高くなったと考えられている。

その背景にあるのは、マノーの財政状況だ。2014年に経営破たんに陥ったマルシャだが、新たな出資者の登場により2015年にはマノー・マルシャとして再出発を果たし、今季はチーム名をマノーと変えてシーズンに臨んでいる。

2015年末にはチーム設立者であったジョン・ブースやその右腕としてチームを運営していたグレアム・ロードンを更迭して完全な新体制となったマノーだが、フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』は、そのマノーが再び失速状態に陥っていると報じている。

ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』も、現在のマノーの財政状況からすれば、もし今後もチームとして存続したいのであれば2017年には2人の「ペイドライバー」をそのシートに座らせるしかないだろうと書いている。

■ナッセの入賞でマノーが最下位に転落

マノーの状況をいっそう深刻なものと変えたのが、ブラジルGPでナッセが9位に入ってザウバーが2ポイントを獲得したことだ。

これにより、第9戦オーストリアGPでパスカル・ウェーレインが10位入賞を果たして1ポイントを獲得し、ここまでコンストラクターズランキングでザウバーの上に位置していたマノーが最下位の11番手に下がってしまったのだ。

仮にシーズン終了時点で10位の位置をキープできていれば、順位によって分配される賞金などにより少なくとも1,500万ドル(約16億4,000万円)以上を稼ぎ出せていたはずなのだが、このまま最下位の11番手で終われば、チームとして公式には1銭も得ることができなくなる。

もちろん、ぎりぎりのタイミングでランキング10位に上昇したザウバーは逆に大喜びだ。F1唯一の女性チーム代表であるモニシャ・カルテンボーンも、母国スイスの『Blick(ブリック)』紙に対し、「この結果はチーム全員のおかげです。これは彼らの素晴らしい仕事へのご褒美です」と喜びのコメントを行っている。

■マノーの状況によりウェーレインがザウバーに?

しかし、ザウバーに大きなプレゼントを提供したナッセ本人は、これによって2017年にザウバーに残留できるチャンスを自分の手でしぼませてしまったのかもしれない。

ナッセがブラジルで9位入賞を果たしたことでランキング最下位に落ちてしまったマノーは、メルセデス所属のパスカル・ウェーレインを2017年にそのまま走らせるのではなく、より多くの資金持ち込みが可能なドライバーと契約する必要に迫られることになるからだ。

現時点では、ハースを離脱することが決まったエステバン・グティエレス、マノーの会長の息子であり、現在は開発担当ドライバーを務めるジョーダン・キング、そして2016年シーズン前半をマノーで戦っていたインドネシア人ドライバーのリオ・ハリアントなどは、ウェーレインのためにメルセデスが提供できる資金よりもさらに多額の資金持ち込みをマノーにオファーしていると考えられている。

このため、ウェーレインはマノー残留ではなくザウバーとの間で移籍交渉を行っていると考えられている。そして、ナッセのスポンサーを務めるブラジル銀行が苦境に立たされているという背景もあり、ザウバーがナッセの代わりにウェーレインと2017年の契約を結ぶ可能性が高くなってきているというわけだ。

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