F1アメリカGP(23日決勝)から、ブレーキング中に進路変更をして追い抜きをブロックする行為が禁じられた。
これは、アメリカGPのドライバーズミーティングで多くのドライバーが要望したものにFIA(国際自動車連盟)が応えた形だ。
今後は、ブレーキング中に動いたことで別のドライバーが回避行動を取らざるを得ない状況になった場合、スチュワードに報告され、審議されることになる。
■ここ2年ほどで出てきた問題
こうした行為はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がよくやることで問題になったが、フェルスタッペンに限らず、F1にステップアップしたばかりのドライバーに共通の問題だと経験のあるドライバーは語っている。
現チャンピオンのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は、『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』に次のように話した。
「僕はF1に10年いるけれど、同じルールはずっとあって、全ドライバーが了解していた。何年も何年も前から共有してきた同じルールを受け入れない可能性があるのは、F1に来たばかりの新人だけだ」
「新しいドライバーが来て違う道を選ぶのを目にするのは面白いよ。だけど、これはお互いに対する敬意の問題だ」
最年長のジェンソン・バトン(マクラーレン)も、次のように話す。
「何より常識の問題だよ。15年レースをやってきたけれど、何の問題もなかった。問題が出てきたのはここ2年ほどだ」
「これではっきりした。明確にしてくれたことを喜んでいるよ」
■ルールが多すぎるとチーム代表
しかし、チーム代表からは懸念の声も聞かれると『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えている。
フェルスタッペンが所属するレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは次のように語った。
「明確であることは大事だ」
「しかし、スポーツの側面をルールで縛りすぎないように気をつける必要がある。これで追い抜きに関しては異なる4つのルールが存在することになった。明らかに多すぎる」
メルセデスAMGビジネス部門のエグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフも同様の意見だ。
「さらにルールを200個ひねり出すこともできるが、レースがより複雑になる危険性がある」
「ドライバーが回避行動を取らなければならなかったときだけスチュワードが介入するとしたら、今後は回避する動きが増えることになるだろう」