F1ベルギーGP決勝レースの1コーナーで3人が接触した。その3人とは、2番手争いをしていたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、キミ・ライコネン(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)だ。
■ベッテルの視点
予選3番手のライコネンと予選4番手のベッテルは良いスタートを決めて真っ直ぐ1コーナーへ。最もアウト側のベッテルはイン側のライコネンのために1台分のスペースを残してターンイン。トップのロズベルグを追うために加速を意識したライン取りだった。
■ライコネンの視点
結果的に両サイドから挟まれる形になったライコネンは、ベッテルが切り込んできた時にはステアリングを右いっぱいまで切っているのがわかる。これ以上避けようがない。そしてそのイン側にはライコネン自身以外のスペースは空いていない。いや、ぐるっと回り込む1コーナーの特性上、ライコネンのイン側からはぶつからずにコーナーを回ることは難しいだろう。
■フェルスタッペンの視点
予選2番手でアウト側からのスタートだったフェルスタッペンは、スタートで出遅れて2台のフェラーリに先を行かれると一気にイン側に動く。右にはウォール、左にはライコネンがいた。フェルスタッペンはブレーキングでなんとか挽回しようとしたが、ポジション的に被せられたら厳しい位置取りだ。
■イン側は死角に入っていた
フェルスタッペンのオンボードカメラ映像を見てもわかるように、3台が0.5台分ずつずれた状態で1コーナーへ飛び込んでおり、フェルスタッペン以外の2人からは右側は完全に死角に入っていた。
■チャンピオンになるには結果を残す事も大事
それぞれの言い分はあるが、最も後ろにいたフェルスタッペンは明らかに前に出てない以上、コーナーでの優先権はない。結果的にチームメートのダニエル・リカルド(レッドブル)が2位表彰台を獲得しているのだから、スタートで出遅れたフェルスタッペンは、ここは少し引いて別のコーナーで勝負を仕掛けても十分な戦闘力はあったはずだ。1戦1戦の速さも必要だが、チャンピオンになるには年間通しての安定した速さと強さも必要だ。
●【動画】フェラーリとフェルスタッペンのオンボードカメラによる接触シーンとそれぞれの言い分(1:56)[F1.comへ]