今季F1タイトル3連覇を狙うルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)だが、今シーズン前半最後のレースとなった第12戦ドイツGPで今季6勝目を飾り、最大のライバルであるチームメートのニコ・ロズベルグに19ポイント差をつけて夏休みに入った。
開幕4連勝を飾ったロズベルグに一時は43ポイント差をつけられていたハミルトンだが、第6戦以降は7レースのうち6勝を達成。いまやF1関係者の中にもハミルトンが今年もタイトルを獲得するのは間違いないと考えている者も多い。
だが、ハミルトンにも不安材料がないわけではない。それはパワーユニットの問題だ。
■いずれ訪れるグリッド降格ペナルティー
今季は過去最多の年間21レースが行われることになっており、各ドライバーあたり年間に5基までのパワーユニットコンポーネントを使用することが認められている。もし、それを超えるパワーユニットコンポーネントを使用した場合には、グリッド降格ペナルティーが科されることになる。
現在、ロズベルグのほうは当初の計画に沿った形でパワーユニットを使用しており、ここまでのところロズベルグにはそれほど大きな不安はない。だが、ハミルトンはすでに5基目のコンポーネントを投入してしまっており、いずれ6基目を投入してペナルティーを受けることが避けられない状況となっている。
そんな中、メルセデスAMGではほかのサーキットに比べると追い抜きのチャンスが多いスパ・フランコルシャン(第13戦ベルギーGP/28日決勝)とモンツァ(第14戦イタリアGP/9月4日決勝)においてそれぞれ6基目、7基目のコンポーネントを投入することで、グリッド降格による不利を最小限にとどめようと考えているようだとのうわさもささやかれている。
■少なくとも25ポイント以上の差はつけたい
ハミルトンもいずれ受けることになるグリッド降格は心配の種だと次のように語った。
「少なくともあと1レースでは(グリッド降格により)かなり後ろのほうになってしまうだろうことは意識しているよ。そしてそのダメージをどれほど小さくできるかは分からない」
「今ではレッドブル勢がペースを取り戻してきているし、彼らを追い抜いたり、トップ5に入ったりするのは難しいかもしれない。それが気がかりだね」
ハミルトンは、そうしたリスクが今後待ち受けていることも分かっており、現在19ポイント差をつけたとは言え安心して夏休みを迎えられるわけではないと次のように付け加えた。
「それじゃまだ十分じゃないよ。1レース分(25ポイント)以上のリードではないからね。1レース分以上の差をつけられることを期待している。そうすれば自分がリードしているんだと感じられるようになるだろうね」