ドライバーの頭部保護装置「ハロー」の改良版がF1オーストリアGP(3日決勝)でテストされようとしている。
ハローは2017年から正式に導入される予定だ。シーズン前テストでは、ドライバーからの視界を確認する目的で、カーボンで作ったダミーをフェラーリが試していた。
今回はチタン製で、わずかに前方寄りになり、クラッシュの際にドライバーの頭がぶつかることのないようになっているという。
■オーストリアGPで改良版をテスト
これをオーストリアGPの初日にフェラーリがテストするとFIA(国際自動車連盟)広報担当のマッテオ・ボンチアーニが認めた。
しかし、テストを行う予定だったフリー走行1回目は、セバスチャン・ベッテルが乗るフェラーリにトラブルが発生しため、ハローは取り外されてテストは行われなかった。
前日の21日(木)には、緊急の際にドライバーを救出するテストもハローを装着した状態で行われたが、ドライバーをマシンから運び出すのに10分以上かかったと『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は伝えている。
次のイギリスGP(10日決勝)では、各チームの技術部門責任者を集めてハローについて検討する会議を行う予定だ。
■ハローには反対意見も
3度のF1王者であるニキ・ラウダは、ハローによってF1のDNAが損なわれると警告している。
「こうしたものが行きすぎると、今時は見る人の数が減っても不思議ではない」
「運転が簡単で危険性もない車で、年間4000万ドル(約41億円)稼ぎたいなどと言う者がいたら、現実離れしているじゃないか」