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「勝てなければF1を去る」とレッドブル総帥

2016年03月14日(月)16:48 pm

世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブルのディートリッヒ・マテシッツ総帥は、今もF1から撤退するという考えを完全に捨ててはいないようだ。

現在、レッドブル・レーシングとトロロッソのオーナーとなっているマテシッツだが、昨年には現在のF1のあり方に大きな疑問を呈すとともに、2016年に搭載するパワーユニット問題がなかなか決着を見ない中、このままでは2015年限りで両チームの運営から手を引くことになるだろうと警鐘を鳴らしていた。

■この先いくつかの選択肢があるとマテシッツ

最終的に、2チームとも今年もF1にとどまることになった。だが、トロロッソは1年落ちのフェラーリパワーユニットを搭載することになり、レッドブルではこれまで同様ルノーからパワーユニット供給を受け、それをタグ・ホイヤーという名前で呼ぶことになった。そして、ルノーとのパワーユニット供給契約は今季1年だけのものとなっている。

マテシッツは、レッドブルがオーナーとなっているドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』紙に次のように語った。

「ルノーとの契約は、ほかの選択を行うことを妨げるものではない」

■ずっと5番手チームに甘んじるつもりはない

そのマテシッツは、レッドブルにとって今季は最高でも3位となるのが関の山だろうと見ている。ルノーのカスタマーパワーユニットを使用するチームでは、ワークスチームであるメルセデスAMGやフェラーリには勝てないと考えているからだ。

71歳のマテシッツは次のように続けた。

「我々はドメスティークとなるにはもったいなさすぎる」

ドメスティークとは、自転車競技において主力選手のサポートに回る選手を意味する言葉だ。

「そして、F1はツール・ド・フランスではない」

そう語ったマテシッツは、「もし競争力のあるエンジンが手に入れられなければ、我々は去ることになるだろう。今後5年にわたって5番手に甘んじるなどということは受け入れられないからね」と付け加えた。

■F1を窮地に陥れたのは自動車メーカー

一方、最近F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、自らが率いるF1をけなすような発言を行ったことに批判の声が上がっている。しかし、マテシッツは、最近のエクレストンの発言は「正しい」ものだと次のように語った。

「F1を窮地に陥れたのはバーニーではなかった。こんなふうにしてしまったのはメーカーたちだよ」

■今後スタードライバーの確保も課題に?

最近、マテシッツの右腕としてレッドブルのドライバー育成責任者を務めるヘルムート・マルコが、今シーズンの成績次第では、レッドブルのダニエル・リカルド、ダニール・クビアト、そしてトロロッソのマックス・フェルスタッペン、カルロス・サインツという4人のドライバーのうち1人がシーズン後にシートを失うことになるかもしれないと語ったことが報じられている。

だが、仮にレッドブルが現在の苦境から抜け出すことができなければ、逆にスタードライバーたちをチームに引き留めておくことのほうが難しくなるかもしれない。事実、リカルドやフェルスタッペンについては、すでにフェラーリが食指を動かしているといううわさもある。

自動車メーカーのワークスチームがリカルドやフェルスタッペンなどを引き抜こうとしてきたらどうするつもりかと質問されたマテシッツは、次のように答えた。

「契約期間など気にしていないよ。誰かが出て行きたいと思えば、引き留めることなどできないだろうからね」

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