F1にパワーユニットが導入されて以来、圧倒的な力で他メーカーの追随を許さないメルセデスだが、ライバルメーカーたちに対し、自分たちの優位性を脅かすことになるかもしれない驚きの提案を行ったと報じられている。
■今年も圧倒的優位が予想されるメルセデスAMG
基本的なF1ルールが変わっていないことから、今年もメルセデスのワークスチームであるメルセデスAMGのドライバーが常に1-2フィニッシュを決めてしまうシーズンになりそうだと考えている者も多い。
そんな中、今週ロンドンで「パワーユニット・ワーキンググループ」と呼ばれる会議が開催された。
このグループに課せられた役割は、4月3日(日)に決勝が予定されているF1第2戦バーレーンGP開催時に、今後のエンジンレギュレーションに関する提言を行うことだ。そして、現在大きな課題となっているのが、メルセデスパワーユニットのパフォーマンスレベルがフェラーリ、ルノー、ホンダといったライバルメーカーのものと大きくかけ離れていることだ。
■ライバルメーカーに燃料流量2%アップを認めるとメルセデス
そして、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』が報じたところによれば、メルセデスがライバルメーカー3社のパワーユニットの燃料流量を2%増加させることを認めてはどうかとの提案を行ったという。
現在のF1ルールでは、1レースで使用できる最大燃料量と並んで、一定時間内にエンジンに送り込む燃料流量にも厳しい制限が課せられている。
もちろん、メルセデスパワーユニットはこれまでと同じ燃料流量を維持することになるわけだが、単純計算では、燃料流量を2%増加させると、ライバルメーカーのエンジンはそれだけでほぼ20馬力の向上が見込まれるという。そして、これによってF1委員会が今後検討することを決めた「パフォーマンスの均等化」という課題をクリアすることができることになるというわけだ。
今回のメルセデスの提案がそのままの形で導入されることになるのかどうかは、まだ分からない。
■燃料制限そのものの撤廃を望む声も
だが、もし最年少4年連続F1チャンピオンという記録を持つセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がこの問題の責任者であったとすれば、ベッテルは現在の燃料流量規制そのものを撤廃してしまうかもしれない。
ベッテルは、母国ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』が発行したシーズン前特集号に次のようにコメントしている。
「スポーツマンとして考えたとき、F1は誰が自分のクルマを一番速く走らせることができるかで勝負すべきだと思うんだ。誰が最もうまく燃料をセーブしたかということではなくね」