今年からF1に新規参戦するハースだが、デビューシーズンにはまずポイントを獲得することを目標に置いているとドライバーを務めるエステバン・グティエレスが語った。
■新参チームには難しいポイント獲得
近年では、2010年に3チームが新たにF1参戦を開始したが、すでにHRTやケータハムはF1から姿を消し、唯一生き延びたマノーさえ、2014年には経営破たんに陥るという厳しい状況を経て現在に至っている。それらのチームにとってはポイントを取るどころか、生き残るために必死になっていたというのが現実だ。
だが、NASCARにも共同オーナーとしてチームを送り込んでいるジーン・ハースは、そうした失敗を繰り返さないよう、これまでのチームとは違うアプローチでF1参入計画を進めてきた。
その柱となるのがフェラーリとの提携だ。ハースはフェラーリからルールで許容される範囲での技術支援を受けることになっており、実質的にはフェラーリのBチーム的存在だとさえ言われている。
ドライバーも、ザウバーでF1デビューを飾り、2015年にはフェラーリの控えドライバーを務めていたエステバン・グティエレスと、すでにF1界でも一定の評価を得ているロマン・グロージャンを獲得。オーナーのハースも、チーム代表を務めるギュンター・シュタイナーも、すぐにポイントを狙っていくことを目標に掲げている。
■最初からポイントを狙っていくとグティエレス
アメリカのノースカロライナにあるハースの本部を訪問していたグティエレスは、『USA Today(USAトゥデイ)』に次のように語った。
「最初からそれ(ポイント獲得)を目標に掲げていくよ。それができるようにしたいね」
「もちろん、過度の期待は禁物だ。僕たちは、可能な限り最高のクルマを用意するために懸命に取り組んでいる。だけど、最初のテストを迎えるまでは分からないからね」
「新チームだという観点からすれば、(ポイント獲得は)野心的な挑戦だと言える。だけど、僕たちはそれをやり遂げるためにここにいるんだ。僕たちはここまでのところチームとしてかなりうまく準備を進めることができていると思うし、ポイント獲得を目標にしたいと思っている」
■もうひとつの目標はチームメートに勝つこと
一方、グティエレスは、すでに10回F1の表彰台に上ったことがある新チームメートのグロージャンについて次のように語った。
「最初は、お互いにあまり話したことはなかったんだ。だけど、これからは彼ともよく話をすることになるよ。僕たちはチームを統合して最高の結果を残すために一緒に働くことが必要だからね」
さらに、グティエレスはアメリカの代表的ファッション誌である『GQ』のメキシコ版に次のように語っている。
「僕個人の目標はすごくシンプルだよ。チームメートと一緒に仕事をしながら、常に前進していくこと。そしてそれと同時に彼に勝つことさ」