メルセデスAMGの非常勤会長を務めている3度のF1王者であるニキ・ラウダがチームを離れる寸前の状況だとイギリスの複数の新聞が報じている。
『Daily Mail(デイリー・メール)』や『Telegraph(テレグラフ)』は、レッドブルへのエンジン供給をめぐって、ラウダとビジネス担当エグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフとの関係が悪化していると伝えた。
「関係は非常に悪いと言われており、ラウダは親しい友人に、いつでもやめる可能性があると話しているほどだ」と『Times(タイムズ)』紙も伝えている。
報道によると、ラウダはレッドブル総帥ディートリッヒ・マテシッツとメルセデスエンジンを供給することで合意したが、その後ヴォルフがこれを拒み、それ以来2人は対立しているという。
レッドブルはいったんルノーエンジンとの契約を打ち切ったが、それはメルセデスエンジンを確保できたと考えてのことだったと言われている。
結局、レッドブルはルノーと供給を継続する交渉を進め、契約はまとまったと見られている。しかし、ルノーがF1を撤退する可能性はまだ残っており、その場合、レッドブルもF1から撤退せざるを得なくなる。
こうしたことから、レッドブルへのエンジン供給を拒んだヴォルフは、F1最高責任者のバーニー・エクレストンやFIA会長ジャン・トッドの不興も買っていると『Times(タイムズ)』紙は伝える。
エンジン供給について正式に発表しないのはなぜかと聞かれたレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、次のように皮肉を言っている。
「残念ながら、われわれにはどうしようもない状況から、(契約が)どんなものか正確に発表することはできない。ひょっとすると、トトなら教えてくれるかもしれないよ」