先週末のF1モナコGP決勝で、ピット作戦のミスから大きなリードを保っていたルイス・ハミルトンから優勝のチャンスをうばってしまっていたメルセデスAMG。これを教訓として、今後は単純にデータに頼らず、人間的な判断を優先するやり方へ変えていくことになりそうだ。
今回の一件に関して、どうしてそういうことになったのかということについて大慌てで分析を行っていたメルセデスAMGだが、ビジネス担当エグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフはドイツの『Bild(ビルト)』に次のように語った。
「すべてのデータやそのときの選択肢に関して検証を行ってきた。そして結論にたどり着いた」
「今後もしモナコのときと同じ、あるいは似たような状況を迎えた場合には、我々はデータやコンピューターの計算結果だけで判断せず、論理性や常識といったことを踏まえて判断をすることになるだろう」
だが、イギリスの『Mirror(ミラー)』紙は、あのときハミルトン自身が行っていた無線連絡が、セーフティカー導入時に彼をピットに戻すという間違った判断につながっていたようだと報じている。
『Mirror(ミラー)』紙によれば、当初チームはハミルトンに対してそのままコースにとどまるよう指示を出していたという。だが、その後ハミルトンは無線で次のようにチームに伝えていた。
「このままとどまるのが最善の策だというのは確かかい?」
「タイヤは温度が下がり切ってしまっているし、誰もがこれからオプション(スーパーソフトタイヤ)に履き替えるはずだよ」
これに対し、チームは「OK、了解、了解。ピットインしろ、ピットインしろ」と無線で伝えていた。
メルセデスAMGの広報担当者はこれについて次のように語っている。
「ルイスも彼の情報を伝えてきた。だが、判断をしたのは我々(チーム)だし、我々が計算を間違えていたんだ」