今季ここまで苦戦が続いている新生マクラーレン・ホンダだが、先週末にバルセロナで行われたF1スペインGPでもさんざんな結果に終わってしまった。
66周で争われたレース中、30周ほどにわたってハンドリングの問題に悩まされたジェンソン・バトンは、その間「人生でもっとも怖い」経験をしたと語ったほどだ。
2009年のF1王者であるバトンは、レース後「今日を終えた時点では、今季は1ポイントの獲得も望めないと思っているよ」と付け加えた。
一方、フェルナンド・アロンソのほうもブレーキトラブルにより、ピットストップの際にあわやフロントジャッキ担当者をはねてしまうところだった。
開幕戦オーストラリアGPを欠場していたアロンソは、ここまで今季のマクラーレン・ホンダで4レースを消化したことになる。これまで常に前向きな発言を繰り返してきたアロンソだが、そろそろ不満の兆候を示したとしても誰もそれを責めることはないだろう。
だが、スペインGP決勝後、アロンソはほほ笑みを浮かべながら次のように語った。
「多くの人たちが、僕やマクラーレンが不満を抱えることを望んでいるみたいだね」
「実際のところ、オーストラリア(開幕戦)での僕たちは4.5秒遅かった。だけど今ではそれが2秒になっている。これまでの歴史をみても、そんなに短期間のうちに2.5秒もばん回できたチームはなかったと思うよ」
「以前は僕たちにライバルたちと争う力はなかった。だけど、今はそれができるようになっている」
アロンソは、バルセロナではちょっとした問題を抱えてしまったものの、今後またすぐにさらなる進歩を見せられるはずだと主張している。しかし、そのアロンソも、今後はそのペースをもっと速めることが必要だと次のように続けた。
「僕たちは大きく離されてしまっている。だから2倍の改善をしていかないとだめだ。ほかのチームだってシーズンを通じて改善を続けるわけだからね」
「これはすごく難しいプロジェクトなんだ。だけど僕たちはうまく立て直すことができているし、それを維持していく必要がある」とアロンソは付け加えた。