レッドブルが、ついに次戦F1スペインGP(5月10日決勝)で、いわゆる「ショートノーズ」を施した改良版RB11を投入することになったようだ。
スペインの『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』によれば、「その改良が加えられたクルマは、間違いなくRB11Bとも呼ばれるべきものだ」という。
2010年から2013年まで4年連続でドライバータイトルとコンストラクタータイトルを獲得していたレッドブルだが、今季は開幕以来シャシーとルノーのパワーユニットのいずれにも問題を抱えて、ここまで大きく出遅れてしまっている。
そして、何度か統括団体のFIA(国際自動車連盟)が定めるクラッシュテストに臨んだ後、いよいよバルセロナで非常に短いノーズを施した改良車が登場することになると見られている。
『Speedweek(スピードウィーク)』によれば、レッドブルはこのノーズでのクラッシュテストに「何十回も」不合格となっていたという。
さらに、『El Mundo(ムンド)』は、今回レッドブルが持ち込むショートノーズは、メルセデスAMGやウィリアムズなどがすでに取り入れているノーズよりもさらに短いものとなると指摘しており、それを「模倣するのは非常に難しいだろう」と書いている。
今回のショートノーズ化によって、レッドブルF1カーの空力効果が飛躍的に向上すると考えられているようだ。
「レッドブルはこの改良によってフェラーリと肩を並べるところにまで改善できると期待している」と『Speedweek(スピードウィーク)』も報じている。
メルセデスAMGの技術担当エグゼクティブディレクターであるパディ・ロウは、2014年に迎えた新たなV6ターボ時代にあって、空力の役割が過小評価されていたと次のように語った。
「パワーユニットやエネルギー回生が重要だとされているが、空力の役割がそれほど小さいものだとは考えていない」
さらに、トロロッソのテクニカルディレクターを務めるジェームス・キーも次のように付け加えた。
「ショートノーズが、2015年型車を製造する上で一番難しい部分だったよ」