メルボルンで行われた2015年F1開幕戦オーストラリアGPでの結果を受け、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、現在メルセデスAMGがほかのチームに対して築いた圧倒的な差は、かつてレッドブルが2010年から2013年にかけて4年連続でF1タイトルを独占していたころに比べてもさらに大きいものとなっていると主張している。
事実、昨年のF1チャンピオンであるルイス・ハミルトンは、メルセデスAMG以外で最上位となった3番手のフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)に対し、1.4秒もの差をつけていた。
だが、58周で争われた決勝では、優勝したハミルトンのタイムは、3位でゴールしたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)より34秒上回るものだった。予選で1周あたり1秒以上の差がついていたことを考えれば、決勝では1分近い差がついてもおかしくなかったはずだと考える者も少なくない。
このため、メルセデスAMGは決勝レースではわざと実力を見せないように抑えた走りをしていたに違いないといううわさもささやかれている。
だが、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、「そんなことはしていなかったと断言できるよ」と語っている。
フェラーリのキミ・ライコネンも、そのヴォルフのコメントは本当だと考えているようだ。
最終的にはマシントラブルによってリタイアを余儀なくされたライコネンだが、1周目に他車と接触してフロアやウイングにダメージを負っていたにもかかわらず、自分のフェラーリSF15-Tは「速かった」と主張している。
「もちろん、僕たちはまだ十分な速さを持ってはいない」
ブラジルの『Totalrace(トータルレース)』にそう語ったライコネンは、次のように続けた。
「だけど、レースでの(メルセデスAMGとの)差は予選のときよりは小さいと思うよ」