フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)は壁に当たる前、既に意識を失っていたのではないか?先月下旬、バルセロナのF1冬季合同テストで起きた事故の状況について、そんな憶測が日毎、重みを増している。
イタリア『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙の報道によると、アロンソの後ろを走っていたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)の車載映像が謎を解くカギになりそうだという。
ベッテルは事故直後、アロンソの挙動が「奇妙」に見えたと語っていた。しかし今週に入って、その発言を訂正。クラッシュは大して「劇的」ではなかった、いずれにしろ最後の瞬間しか目にしなかった、以上のようにいい替えた。
ところが、ベッテル車に映った映像について『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、こう伝えている。まずアロンソのマクラーレン・ホンダは、とつじょ減速。次に進路を極端に変え、壁に突っ込んで行ったというのだ。
じつにバーニー・エクレストンも、事故を「極端」の二文字で形容している。
エクレストンは次のように語ったという。「まるで彼(アロンソ)は一瞬、意識を失ったかのようだった」
「電気的なショックを受けた可能性の有無は分からないが、私にはそのように見えた。エンジニアも医師たちも感知できるはずだ」
「まさしくミステリーだな」とエクレストン。
同じく事故を疑問に感じている人物の一人に、FIA(国際自動車連盟)で競技委員だったホアキン・ベルデガイがいる。彼はスペイン『AS』紙にこう語った。「頭がクラクラした、朝食にあたった。彼(アロンソ)にそんな理由があったら納得できるんだけどね。誰にでも起こり得ることだから」
「何かがあったんだ。原因は意識喪失だとしても、いったい何が影響したのだろう?」