メルセデスAMGのエンジン担当責任者が、2015年仕様のF1エンジンが発生する音が昨年と比べて予想外に大きくなったと認めている。
昨年、2013年まで使用されていた自然吸気V8エンジンに代わってV6ターボによるパワーユニットが導入されたが、それまでの耳をつんざくような大音響がF1から失われたことに対する批判や嘆きの声もあがっていた。
だが、1日(日)からスペインのヘレスで始まった今年最初のF1公式シーズン前テストをコース脇から見ていた関係者は、口をそろえて今年のF1カーの音は昨年に比べて明らかに音が大きくなったと語っている。
「ピットウォールでもそのことが話題に上ったよ」
『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ったメルセデスAMGのマネジングディレクターであり、エンジン責任者でもあるアンディ・コーウェルは、さらに次のように続けた。
「我々はエンジン音が本当に大きくなったのかどうかきちんと計測したりはしていないんだ。我々としてはただ速く走らせることに集中してきただけだからね」
「恐らく、その(大きく聞こえる)理由は、何か月もこの音を聞いていなかったことと、あとはこのヘレス・サーキットが円形競技場のような形をしていることによるものじゃないかと思うよ。でも、正直に言って、本当に音が大きくなったように思う」
メルセデスAMGのエンジニアリングディレクターであるアルド・コスタも同意見だ。
「1年前はピットにいるとき耳栓なしで立っていることができた。でも今年はまた耳をふさがなくてはならない状態なんだ」
「もちろん、それは自然吸気エンジンと比較できるようなものじゃないよ。でも、新しいターボの音は、少なくとも最初の(F1における)ターボ時代のときと同じくらいまでよくなっている」とコスタは付け加えた。