フェルナンド・アロンソにとってマクラーレン第二章の始まりとなった1日(日)のヘレス合同テスト初日。本人も認める「スロウ・スタート」にも、平常心を装っていた。
フェラーリを飛び出てホンダ・ワークスのマクラーレン新時代を担うことになったアロンソだが、2015年型マシンの初走行はわずか6周のチェック走行と、さんざんなものだった。この日はまたしてもメルセデスAMGの走りが際立っていただけに、なおさらだ。
「彼ら(メルセデスAMG)のマシンは相変わらず圧倒的に強いね」とマスコミに漏らすアロンソ。「そりゃ彼らは楽だろう。僕らのパワーユニットは新品だから」
「でも僕らだって、流れるようなフォルムで攻撃的なデザインのマシンが武器だ。それに、メルセデスAMGが去年ほど勝つとは思えない。確かにいちばんの優勝候補だが、どのチームも去年よりは接近している」とアロンソ。
産みの苦しみを味わっているマクラーレンだが、アロンソはこのプロジェクトを長い目で見ている。2007年に経験した大惨事は、今回、想像しにくいと彼はいう。
「僕は変わった」とドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌に話すアロンソ。
「当時、僕は25歳と若かった。互いにやり直すなら、今が完ぺきなタイミングだ」
「エリック(ブーリエ)の存在もあって、チームはより開けていて国際的だ。ピーター(プロドロモウ)がマシンの設計を一から見なおしたし、ホンダも22年の空白を経て帰ってきた」
「チーム全体がこのプロジェクトを信じている。気分は最高だよ」とアロンソは語った。
33歳と大人になったアロンソだが、さすがに古巣フェラーリには一言いわなければ気がすまなかったようだ。アロンソに替わってフェラーリに加入したセバスチャン・ベッテルはヘレス合同テスト初日、新車SF15-Tに乗ってトップタイムを叩きだした。
「去年僕らは金曜日に最速を誇っていた」とブラジル『Globo(グローボ)』紙に話すアロンソ。「ところが土日になると、後退しちゃったよね」
また、マクラーレン・ホンダが速さを発揮するまで待てるかどうか質問されると、やはりフェラーリを引き合いに出すアロンソだった。
「過去5年を見てほしいね。僕は我慢強い人間だ」