アウディがF1復帰を検討しているようだとの報道がまた過熱し始めたようだ。
少し前、今年4月にフェラーリを追われた元チーム代表のステファノ・ドメニカリが、フォルクスワーゲンの傘下にあるアウディに加入することが明らかとなったとき、そのうわさが再燃していた。
ドメニカリは11月からアウディでの業務を開始しているが、アウディでは、ドメニカリの担当業務はモータースポーツ分野ではなく、サービスおよびモビリティの分野に限定されると説明していた。
だが、4日(木)にイギリスの『BBC』が、49歳のドメニカリは実際にはフォルクスワーゲンの「F1へ参入実現に向けた事前調査の指揮を執っている」と報じた。
■フォルクスワーゲンのF1参戦に現実味?
『BBC』のアンドリュー・ベンソン記者は、そのニュースはF1最高責任者であるバーニー・エクレストンが、近いうちにその職務範囲がこれまでよりも限定されることになりそうだと報じられたのと奇妙なほど同時に表に出てきたと指摘している。
ベンソン記者は、F1の最高権威であるエクレストンと、フォルクスワーゲンの最高権威であるフェルディナント・ピエヒ(フォルクスワーゲン監査役会長にして大株主)とは「長期にわたって関係がこじれている」ため、「少なくとも、彼らのどちらかはフォルクスワーゲンのブランドがF1に参入する前にその職を去ることが求められるだろう」との説明を加えている。
フォルクスワーゲンに起ころうとしている変化は、F1への道をさらに確固たるものとするかもしれない。かつてF1チームのオーナーであったエディー・ジョーダンも、「ピエヒの後継者としてマルティン・ヴィンターコーン(フォルクスワーゲンAG会長)の存在が大きくなってきている」と指摘。
■フォルクスワーゲン会長はF1参戦に乗り気
現在は『BBC』のF1解説者を務めるジョーダンは、ヴィンターコーンは「常にF1がグループのブランドにとって最高の舞台となると考えてきていた。彼は私から個人的にフォルクスワーゲンAGはF1に参入すべきだと信じていると聞かされたよ」と述べている。
そのヴィンターコーンは、11月にドイツの『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』紙に次のように語っていた。
「我々のブランドはモータースポーツにおいて以前と同じように成功を収めてきている。DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)ではアウディ、ル・マンではアウディとポルシェ、あるいは世界ラリー選手権ではフォルクスワーゲンとしてね」
「我々は非常によい位置にいると感じているよ」とヴィンターコーンは付け加えている。