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ケータハムが可夢偉のコメントに反論

2014年10月16日(木)10:57 am

先週末にソチで開催されたF1ロシアGP(第16戦)で、21周を消化した時点でピットへ呼び戻された小林可夢偉(ケータハム)は、そこでチームからリタイアすることを告げられていた。

【結果】F1第16戦ロシアGP決勝の順位、タイム差、周回数、ピット回数

これに関し、可夢偉は非公式ながらメディアに対し、そのリタイアは少ないパーツ類を保全するために走行距離が伸びることを控えるためだったと発言。さらに、チームがレース後に出した公式コメントにおいても次のように発言していた。

「無線でピットに入るよう伝えられたときには、通常のピットストップかと思っていました。そうしたらリタイアする必要があると言われたんです。僕にとってはちょっと驚きでしたし、最初はなぜやめなければならないのか本当に分かりませんでした」

可夢偉はそれに続けて「チームはテレメトリーのデータを分析しており、僕のブレーキがかなりオーバーヒートしていたことは明らかでした」とも付け加えていたが、その後自身の公式動画チャンネルを通じて「原因はブレーキのオーバーヒートということになっていますが、基本的にはそんなに大きな問題ではなく、クルマのパーツが不足しているためにとめたということでした」とも発言。これにより、可夢偉のリタイアの真相をめぐってメディアやインターネット上に疑念やケータハムに対する批判の声が上げられる状況となっていた。

そんな中、ケータハムは15日(水)に正式な声明を発表し、その中でそうしたうわさや可夢偉のコメントに対する反論を行った。

その声明は、チーム代表であるマンフレディ・ラベットとのQ&Aという形式となっており、チームの状況や今後へ向けた展望などを語るという体裁をとっているが、その中でかなりのスペースを割いて今回の可夢偉の発言に対する反論を展開している。

声明の中でラベットは次のように語った。

「実際のところ、私は可夢偉がチームの上部から走行距離を抑えるよう指示を受けたとの話をしたと聞いて非常に驚いたよ。我々はテレメトリーを通じてブレーキに潜在的な問題があることをつかんでおり、危険を冒すことを避けるためにあの決断をしたんだ。可夢偉もそれについては公式に認めていたはずだ。それに、彼自身が予選に向かう前に、その前に使っていたブレーキがバイブレーションを発生していたのでそれを交換するように求めていたことも付け加えておきたい」

「はっきりさせておこう。確かに我々は可夢偉にリタイアするよう指示をした。なぜならドライバーの安全を守ることが我々が最も重要視していることだからね!」

「可夢偉のコメントに関して、私に言えることは、今一度事実にのっとって言うのだが、チームはイギリスGP以後継続的に進歩を遂げてきている。我々はここ2戦では予選でも非常にうまくやっており、Q2進出に非常に近いところまできている。それに、鈴鹿では可夢偉の大きく損傷を受けたクルマを次のセッションまでに何の問題もなく修理していたじゃないか。だから、私には彼のコメントが理解できないね」

ケータハムに関しては、今年7月にオーナー体制が変わった後も財政的にひっ迫していると報じられており、日本GP前にはリーフィールドにあるファクトリーの資材に対して差し押さえ命令が出されたとのニュースも伝えられていた。緊急に資金追加をしたことで、その差し押さえには対抗したようだと伝えられているが、その後スポンサー資金を持ち込んでいるチームメートのマーカス・エリクソンのほうには改良パーツが与えられているものの、可夢偉のクルマにはそれらが与えられず、シーズン前半の仕様のクルマで戦い続けていることも知られている。

事実ロシアGPのフリー走行3回目では、ケータハムはセッション前半に走行を行わず、ほかのチームに対し半分ほどの周回しか行っておらず、このときも少ないパーツ類の寿命を延ばすために走行距離を抑えるためだと伝えられていた。

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