F1関係者、そしてF1ファンが、ジュール・ビアンキ(マルシャ)の容体について心配を募らせている。
世間では、5日(日)に鈴鹿サーキットで開催されたF1日本GPで発生した事故の原因や責任がどこにあるのかとかまびすしく意見が交わされているが、ビアンキは現在も鈴鹿から15kmほど離れた四日市市の三重県立総合医療センターで懸命の治療が続けられている。
ブラジルの有名な記者であるリビオ・オリッキオは、『Universo(ウニベルソ)』に対し、ビアンキが乗っていたF1カーのテレメトリーによれば、ビアンキはエイドリアン・スーティル(ザウバー)のクルマの撤去作業にあたっていた作業車に時速203kmで激突したと書いている。
6日(月)の夜に、フランスの『RMC』からビアンキの容体について質問を受けたFIA(国際自動車連盟)の広報担当者マッテオ・ボンチアーニは、「状況は本当に深刻だ。非常に深刻ではあるものの、安定はしている」と答えている。
「私は、彼の家族に代わって、それをお伝えしている」とボンチアーニは付け加えた。
ビアンキのマネジャーであるニコラ・トッドは、現FIA会長であるジャン・トッドの息子だ。そのトッドの友人でもあるジェラール・サイヤン医師が、現在パリから日本へと向かっているという。
ビアンキの両親はそれより前、6日(月)にビアンキが収容されている病院へ到着していた。
「明日(7日)には」とボンチアーニは続けた。「ご家族が医師たちと面談を行い、すべての情報を知らされることになるだろう」
今のところ公式な発表は行われていないものの、ビアンキは硬膜下出血を取り除く手術を受けたあと、現在はICU(集中治療室)で人工的なこん睡状態に置かれており、人工呼吸器も装着されていると考えられている。
ドイツの『Welt(ヴェルト)』紙は、マルシャのチーム代表であるジョン・ブースと、スポーティングディレクターのグレアム・ロウドンは今週末ロシアGP(12日決勝)が開催されるソチには向かわず、ビアンキとともに病院にとどまっていると伝えている。