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F1、ビアンキを案じて眠れぬ夜

2014年10月06日(月)17:26 pm

5日(日)のF1第15戦日本GPから、一日が経過した。F1界は、レース中の事故で重体となったジュール・ビアンキ(マルシャ)の容態を、固唾をのんで見守っている。

誰からも好かれ、いちどステアリングを握ったら天才的な走りをするビアンキ。コース上で他マシンの撤去作業にあたっていた牽引(けんいん)車に当たり、救急車で三重県立総合医療センター(三重県四日市市)に緊急搬送された彼は昨夜、頭部の手術を受けた。ヨーロッパの各メディアによると、容態は安定し、自発呼吸を行なっているという。

ビアンキの父フィリップさんは仏テレビ局に、次のようにコメントした。「ジュールは重体だ」

「脳に血腫が認められたため、緊急手術が行われた。予後は24時間経ってみないと分からない」

気になるニュースもある。仏ラジオ局『RMC』は、四時間に及んだ手術でビアンキの容態は悪化。出血を止めるため夜中に二度目の手術が行われたと伝えている。

同じ報道で、ビアンキは現在、人工呼吸器につながれているという。

元F1ドライバーで最近GPDA(F1ドライバーズ協会)会長に就任したアレックス・ブルツは、母国オーストリアのテレビ局『ORF』に出演。しかし彼は、ビアンキの状態について限られた情報しか手元にないと語るのみだ。

ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌は、事故の衝撃で、牽引車に吊り上げられたエイドリアン・スーティルのザウバーが落下したと報道。

「彼は牽引車に衝突し、ロールバーが壊れたと聞いている」と、ブルツは語った。

「事故直後は意識があったビアンキだが、その後失った。呼吸はずっと自発で行い、蘇生の必要もなかった」

「これが明るいニュースか、あるいは悪い知らせか、私には判断できない。専門家ではないからだ」

以前、FIA(国際自動車連盟)所属のF1専属医だったゲイリー・ハートスタイン医師。何ごともはっきりとモノをいうブロガーでもある彼は、もしビアンキが自発的に呼吸をしているなら、それは「ほんとうにすばらしいニュースだ」と述べる。

「他にとりわけ医学的な情報がないなか、これは画期的だ。彼(ビアンキ)の執刀医や集中治療医の自信の表れといっていい。彼にそれだけの”余裕”があるほど、神経学的に兆候は安定しているのだ」

フランスでは、当面、これ以上の公式情報を流さないようビアンキの家族が望んでいると報じられた。

日刊スポーツ紙『L’Equipe(レキップ)』は、次のようなフランス人神経外科医のコメントを掲載。「今のところ、所見を述べるのは不可能だ。まだ早すぎる」

「信じるに足る予見を行うため、今後、数日にわたって容態が監視されるだろう」

ビアンキは、フェラーリのドライバー「アカデミー」に所属している。同チームの広報は5日(日)の晩、三重県立総合医療センターで次のように語った。「家族の意向を尊重し、今夜は公式発表を行わない」

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