マクラーレンCEOのロン・デニスは4日(土)、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)のマクラーレン2015年復帰で双方合意との報道にかみついた。
セバスチャン・ベッテルは今季限りでレッドブルを脱退、アロンソに替わって来季フェラーリ入りする。このニュースを受け、アロンソがマクラーレンに再加入、新ホンダ・ワークスを背負って立つ可能性はにわかに高くなった。
だがアロンソは同じ土曜日、何も決まっていないと次のように述べた。
「まだ全然分からない。いろいろな可能性があるよ」と、彼は鈴鹿で語った。
「すべては計画に沿って進行している。いずれはっきりするよ」
2015年の身の振り方は自分で決めるというアロンソ。自らを「意思決定者」と呼んでいる。
「まだ完全に決めてはいない。計画は頭のなかにあるんだ。この二、三ヶ月で腹をくくった」
「今、いろいろと動きが見られるが、そのうち少しは僕の決定と暗に関わっていそうだ」
パドックのF1関係者がみるところ、アロンソの「計画」とはマクラーレン復帰だ。もっとも、デニスと最初に組んだ2007年は散々だった。当時ペアを組んだ驚異の新人ルイス・ハミルトン(現メルセデスAMG)と激しく衝突。そのあげく、フェラーリのマシン設計図が不法にマクラーレンの手に渡った、いわゆる「スパイゲート」事件の渦中にチームを去った。
この大スキャンダルでマクラーレンは実に1億ドル(約109億7,800万円)の罰金を課せられ、デニスもいったん辞職した。だがデニスは4日(土)、そうした過去もアロンソ復帰のじゃまにはならないと語った。
「フェルナンドが(スパイゲートを)引き起こしたわけじゃない」と、デニスはイギリス『Sky(スカイ)』に話す。
「彼は部分的に関わった(設計図がアロンソにもEメールで送られた)にすぎない。もう何年も前に吹っ切れた」
「ルイス・ハミルトンの復帰に障害はない。フェルナンド・アロンソの復帰だって何のハードルもない。さらに、ケビン(マグヌッセン)とジェンソン(バトン)の残留もOKだ」と、デニス。
とはいえ、2015年の方向性はまだ固まっていないという。
「二人のドライバーとは、いずれも2015年の契約を交わしていない」
「われわれはもっとも競争力の高いドライバー二人が欲しい。ピットレーンで最上位にいるドライバーとはすべて話をしたよ」
またデニスは、ホンダのF1プロジェクトが著しく遅れているとの報道に激しく反発した。ワークス待遇によるエンジン供給の再開で、マクラーレンの目の前に再びタイトルへの道が開けたと彼はいう。
「それはもう、目からウロコだ」と、ホンダの開発状況について話すデニス。「あのエンジンは、まるでひとつの宝石だよ。予想したよりはるかに先を行っている。競争力は疑いようがない」