セバスチャン・ベッテル、レッドブル脱退のニュースで明けた4日(土)の鈴鹿サーキット。衝撃が一段落した夕暮れどきのパドックでは、まだ様々な話題が飛び交っていた。
例えばメルセデスAMGのニキ・ラウダだ。彼は同じオーストリア人のヘルムート・マルコ博士とよく夕食を共にするが、イギリス『Sky(スカイ)』に、こんな話をしていた。「昨夜9時半、セバスチャン(ベッテル:レッドブル)がクリスチャン・ホーナーのところにやってきて、”チームを辞める”といったらしい」
レッドブルがフライング気味にベッテルの次なる動きを暴露したのは、せめてもの仕返しか。ベッテルがフェラーリ入りするなら、すべての注目は、これもチーム脱退が決定的なフェルナンド・アロンソに向く。
フェラーリの次期ドライバー・ラインアップが、なぜレッドブルの声明で明らかに?そうした質問に、チーム代表のマルコ・マティアッチからは困惑の表情がうかがえた。『Sky(スカイ)』に対して彼は、次のように話している。「ありがたいことだね」
アロンソの今後の動向については、ふたつの仮説がある。ひとつはマクラーレン・ホンダ入り。もうひとつは一年の休暇だ。
ところが予選終了後のぶら下がりインタビューで彼は、興味を引くひとことを発した。アロンソはニヤリと笑って、2015年のチームを「選べる」立場にいると明らかにしたのだ。
「僕は世界チャンピオンになりたい」。そうアロンソは宣言する。
アロンソが2015年のF1タイトルを獲得するには、ぶっちぎりの速さで鈴鹿の予選一列めを独占したメルセデスAMGに加入するのが早道だ。
しかし、ニコ・ロズベルグは新たな長期契約を結んだばかりだ。もういっぽうのルイス・ハミルトンも2015年の契約を残している。
さらに、ハミルトンについてラウダは同じ4日(土)、2015年もシルバーアロー(メルセデスの愛称)に乗ると言明。2016年以降の契約交渉についても、かなり進展していることを明らかにした。
今季のロズベルグとハミルトンは圧倒的な強さを見せている。「変える理由がどこにある?」とラウダがいうのも当然だ。
だが、アロンソが手に入りそうだったら?
「その点で、われわれははっきりしている。彼(アロンソ)と話し合ったことすらない」