イタリア人ドライバーのアンドレア・カルダレッリが、F1日本GP(10月5日決勝)にケータハムから出走するのではないかとのうわさを否定した。
ケータハムでは、ベルギーGP(第12戦)で小林可夢偉に代えてアンドレ・ロッテラーを起用。続く第13戦イタリアGPでは可夢偉が再び復帰したものの、ケータハムの新首脳陣は今週末のシンガポールGP(21日決勝)では再び可夢偉に代えてスペイン人若手ドライバーのロベルト・メルヒの起用を考えていると言われている。
だが、モンツァで行われたイタリアGPのフリー走行1回目に出走したメルヒだが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がF1レース出走に必要なスーパーライセンス発給条件となる300kmの走行を達成することができずに終わっていた。
このため、先週にはシンガポールGPでもまた可夢偉がコックピットに収まるのではないかとの報道も行われていた。
だが、日本において、カルダレッリもケータハムのドライバー候補に上っていると報じられており、特にシンガポールに続く日本GPで出走の可能性が高いようだとされていた。
24歳のカルダレッリは、ロッテラーが可夢偉に代わってベルギーGPに出走した際、ちょうど日程が重なったスーパーフォーミュラにおいてロッテラーの代役を務めたことで話題となったドライバーであり、現在日本のGT選手権で活躍している日本でもおなじみのドライバーだ。
かつてトヨタやフェラーリのF1カーでテストを行ったこともあるカルダレッリは、ケータハムの新チーム代表となったマンフレディ・ラベットの支援を受けるとともに、日本との関係も深いとうわさされている。
だが、カルダレッリ本人が鈴鹿でのF1デビューを否定する発言を行った。現在エントリーをしているスーパーGTシリーズと日程が重なるというのがその理由だ。
「僕ははっきりとその可能性(鈴鹿でのF1出走)はないと断言できるよ」
そう述べたカルダレッリは、次のように付け加えた。
「その週末にはタイでGTレースが行われるし、僕にとってはそれが一番大切だからね」
カルダレッリは現在レクサス・チーム・キーパー・トムスからGT選手権にエントリーしており、ランキング2位につけている。タイでのレースは全8レース中、最後から2番目の第7レースであり、タイトル争いにおいて重要な意味を持つことになる。
「F1が僕の夢であることは間違いないよ」とカルダレッリは続けた。
「フェラーリやトヨタでテストした経験もあるし、いつかまたF1カーに乗ることがあるかもしれない」
「でも、現時点では、間違いなくそれはないよ」
一方、潤沢なスポンサー資金をバックにケータハムのレギュラードライバーとしての座を確保しているマーカス・エリクソンは、今後自分のチームメートがどうなるのかについては全く知らないと次のように語っている。
「正直に言って、クルマに乗り、週末のレースに対する備えをしているときには、それに集中しているし、そういうことについては本当に考えることもないんだ」
そう『Reuters(ロイター通信)』に語ったエリクソンは、さらに次のように付け加えた。
「そのことで僕が影響を受けたことはないよ。だけど、もちろん今では新しいオーナーがついたし、彼らはクルマの開発を本当に懸命に進めてきている。それは前向きなことだよ」
可夢偉は今週末もシンガポールに入り、チームの決定が出るまで待機することになると言われている。