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ロズベルグが意味深発言。「ハミルトンはラッキーだった」

2014年09月11日(木)11:11 am

現在F1チャンピオン争いのトップを走るメルセデスAMGのニコ・ロズベルグが、先週末のF1イタリアGP(第13戦)でチームメートであり、タイトル争いのライバルであるルイス・ハミルトンが勝利できたのは「運がよかった」ためだと語った。だが、その言葉にはもっと深い意味が隠されているように思えなくもない。

【結果】F1第13戦イタリアGP決勝の順位、タイム差、周回数、ピット回数

ベルギーGP(第12戦)決勝で起こったチームメート同士のクラッシュに関しては、ロズベルグにチーム内で処分が下されたことが明らかとなっていた。そんな中で行われたイタリアGP決勝では、ポールポジションからスタートしたハミルトンが順位を下げたものの、ロズベルグがターン1で2度もミスを犯し、それによりハミルトンが勝利を得ていた。

■イタリアGPで起こったメルセデスAMG陰謀説

ロズベルグがミスを犯したとき、ピットウォールにいたトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)が奇妙なほほ笑みを浮かべたこともあり、ロズベルグがスパの行為へのおわびとしてわざとミスを犯し、ハミルトンに何ポイントかを進呈したのではないかとの陰謀説まで取りざたされることになった。

ヴォルフは、そうした説を唱(とな)える者たちを「誇大妄想」だと語り、メルセデスAMGがロズベルグに与えた処分の中に、そういう不正を行ってハミルトンに勝たせるようにするようなことが含まれてなどはいなかったと否定している。

ヴォルフは、『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』に次のように語った。

「絶対に、競技面に影響を及ぼすような罰則ではなかったよ」

それでも、全員が納得しているわけではない。

■ロズベルグのミスに首をかしげるドライバーたち

セーフティカーのドライバーを務めるベルント・マイランダーは、オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に対し、イタリアGP決勝でのロズベルグのミスは「普通ではなかった」と語り、次のように続けた。

「彼らはあそこで時速360kmからブレーキをかける。だから、ミスをして非常口に突っ込んでしまうこともよくある」

「だが、同じところで2度もミスをするかな? それは普通じゃないよ」

F1タイトル争いを繰り広げるメルセデスAMGの2人以外では今季唯一、しかもすでに3勝をあげているレッドブルのダニエル・リカルドもマイランダーと同じ見方をしている。

「あそこは、シーズンを通じて本当にブレーキングが難しい個所のひとつなんだ」とリカルド。

「それに、ダウンフォースもすごく小さいから、本当に難しいんだ。そういう状況の中で、白熱した戦いを繰り広げているルイス・ハミルトンからのプレッシャーもかかるわけだから、ミスだって起こるよ」

そう語ったリカルドは、ほほ笑みを浮かべながら次のように付け加えた。

「一度のミスなら、それは確かに普通のことだよね。実際には2度起こったわけで、それは面白いと思ったよ」

■激しさを増すチームメート同士の心理戦

最近では、メルセデスAMGの2人に関しては、コース上で繰り広げられるホイール・トゥ・ホイールの戦いよりも、サーキット外での戦いのほうがいっそう興味深いものとなっているのは間違いないだろう。

モンツァで行われた金曜日(5日)のドライバー記者会見は、ハミルトンとロズベルグの2人が参加したこともあって緊張感につつまれていた。そこでロズベルグは、心理戦も「もちろん、スポーツにおいては行われるものだ」と認めていた。

もちろん、ハミルトンも心理戦を繰り広げていることは明らかだ。だが、ロズベルグも今季はいつの間にか心理戦の技術を高め、その力を増してきているようだ。

■カナダ人にイタリア語で話しかけたロズベルグ。その内容は?

自分がミスを犯し、その結果ハミルトンの優勝で終わったモンツァでのレース後、ロズベルグはレースにおける極めて重要な瞬間に関してメルセデスAMGの電子装置責任者であるエバン・ショートと話し合いを行っていた。だが、そのときハミルトンはカナダ人であるショートにイタリア語で話しかけていた。

これを見た解説者は、ロズベルグはショートとばかりでなく、ブラジル人ドライバーのフェリペ・マッサと話すときもイタリア語を使うに違いないとコメント。英語しか話せないハミルトンを仲間外れにするためというのがその理由だ。

ドイツの『Bild(ビルト)』紙は、そのときのロズベルグの会話はテレビを通じてもはっきりと聞き取れたとし、その内容は次のようなものだったと書いている。

「彼(ハミルトン)はすごくラッキーだったね。あんなことがあり得るものかな?」

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