昨年4年連続でF1タイトルを獲得したレッドブルも、今年は主役の座をメルセデスAMGにすっかり奪われてしまい、昨年に比べてメディアへの露出度も大きく減っている。だが、その陰で、レッドブル内部にも何らかの変化が生じてきているようだ。
【結果】F1第13戦イタリアGP決勝の順位、タイム差、周回数、ピット回数
F1ハンガリーGP(第11戦)以降3レース連続で予選ではチームメートのダニエル・リカルドを上回ったセバスチャン・ベッテルだったが、決勝ではピットインのタイミングなどレース戦略の違いもあり、ことごとくリカルドが上位でレースを終えている。
今季トロロッソからレッドブルに昇格したリカルドは、その不振のベッテルをしり目に、ここまでメルセデスAMG以外のドライバーでは唯一表彰台の真ん中に3度も立っている。
そのリカルドが、今シーズン残りのレースをメルセデスAMGと戦うにあたり、レッドブルに対して自分を明確なナンバー1ドライバーとして処遇するよう求めたと言われている。
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、現時点ではその要請を断ったとされているものの、ベッテルにとっては非常につらい時期となっているのは間違いない。そのベッテルには、マクラーレンから提示された巨額の報酬を伴う移籍オファーを真剣に検討しているようだとのうわさもささやかれている。
ベッテルは、F1イタリアGP(第13戦)が開催された先週末のモンツァで、F1公式サイトによるインタビューを受け、ベルギーGP(第12戦)において「チームがもはや全面的に自分をサポートしてはいないという印象」を受けたのではないかとの質問を受けた際にはそれを否定していた。
だが、モンツァで行われたイタリアGP決勝では、再びスパ・フランコルシャンでのレースと同じようなことが再現されてしまった。
イタリアGP決勝後すぐにスペインのテレビ局から友好的なインタビューを受けたベッテルは次のように答えている。
「スペインのテレビ局のほうが、チームよりももっと僕に信頼を置いてくれているみたいだね」
だが、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、こうしたベッテルのコメントに関して、大した意味を持つものではない、とドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』に次のように語った。
「あれはレース後最初に出た感情的なものだったんだ。彼(ベッテル)は、予選ではリカルドを上回っていたにもかかわらず、決勝ではチームメートにやられてしまってがっかりしていたのは当然だからね」
「あれはすごく普通の反応だよ」とマルコは主張している。