先週末のF1ベルギーGPでさらに事態が悪化したルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのメルセデスAMGチーム内バトル。ついに親会社ダイムラー会長、ディーター・ツェッチェが関与する事態となった。
チーム三役のトト・ヴォルフ、パディ・ロウ、ニキ・ラウダは、エスカレートするハミルトンとロズベルグのあつれきで、普通に戦えば取れるタイトルを逃さないよう必死だ。そんななかラウダは、打開のためにツェッチェに登場を願ったと、ドイツの週刊誌『Bunte(ブンテ)』に、次のように話す。
「当たり前だが、われわれには彼(ツェッチェ)に報告の義務がある」
「事態を解明しなければならない。ブランドの信頼性を高めるための(F1プロジェクト)だからだ」
24日(日)に事故が起きてから、加熱するハミルトンとロズベルグの関係を冷まそうと努力が重ねられているが、今までのところ責任はロズベルグの側にある。スパ・フランコルシャンを舞台に行われたベルギーGP決勝2周めに起きた事故で、F1世界ドライバーズ選手権を争うハミルトンは、ロズベルグに30ポイント近く離されてしまった。
レース後に開かれたチーム内のミーティングでロズベルグが行った説明も、ラウダにいわせると「理解不能」だったらしい。
ドイツ『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』によると、英ブラックリーにあるチーム本拠地で29日(金)、今後に向けて緊急ミーティングが行われる予定だ。
「私は出ない」と、ラウダ。「だがトト(ヴォルフ)とパディ(ロウ)、それに両ドライバーは出席する」
メルセデスのポリシーは”自由競争”だ。これにフタをしてまで問題の解決とすることのないよう、反チームオーダー主義のツェッチェが要求する可能性はある。
チームは28日(木)、ツイッターで50万人のフォロワーに向けて、リツイートによる「チームオーダー対自由なレース」の投票を呼びかけた。
「あなたの意見を反映させるチャンスです」
すると案の定、自由なレースが92パーセントの圧倒的な支持を得たのだった。さらにメルセデスAMGは、「接触NGの規則」があった場合、これを破ったら課し得るペナルティのアイデアを次のように募集した。
「ドライバーを一戦の出場停止にして、コンストラクターズ選手権のポイントをはく奪しますか?それとも(次戦で)予選順位を下げますか?」
ラウダは、あくまでメルセデスAMGの看板を守り、チームオーダー導入の安全策は取らない方向で今季のバトルを続ける結論に達すると予想した。
「何も変えない」と、ラウダはいう。「ただし、不要なリスクは避けることが重要だ」
「だが、始まる前から明日(29日)の会議を結論づけたくはない」「どんな結果になるか、待とうじゃないか」