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ジャンカルロ・ミナルディの2014年F1前期レポート

2014年08月09日(土)7:07 am

ミナルディ(現トロロッソ)のチームオーナーで現在はF1解説者として活躍しているジャンカルロ・ミナルディが、今季F1のこれからを占う。

■2014年F1前期レポート

2014年F1世界選手権は全19戦のうち11のレースを終え、各チームとも夏休みに入っている。選手権の行方を決める残り8戦に備えるため、身も心も再充電してもらおうと、規則により一斉休暇が定められているのだ。その間、チームの工場はFIA(国際自動車連盟)の管理下に置かれ、従業員も作業員もいっさい立ち入りを禁じられる。唯一、工場に足を踏み入れることが許されるのはシステムの保全要員だけだ。監視の目はあらゆる細部に及ぶ。Eメールの通信さえ規制されるのだ。

作業再開ともなれば、たとえこれからの季節が秋でもF1はふたたび一気に燃え盛る。上位を独占するメルセデスAMGを追いかける立場のチームは、スタッフの大幅な配置転換が予想される。フェラーリは一足先に始めているが、あの程度では不十分に感じられる。従って今後さらに変化が起こるだろう。マクラーレンも同様である。ホンダの来季F1復帰を前に技術的なすり合わせをしっかりとやっておきたいところだ。それと、ロータス。彼らは組織面で大きな変更を加えているばかりか、技術面でもエンジンをルノーからメルセデスに変えようとしている。

その他のチームも変更と無縁ではない。技術陣やドライバー、さらにはチーム代表や取締役クラスの交代だってあるかもしれない。レッドブル、メルセデスAMG、フェラーリ、マクラーレンをロンドンに呼んでバーニー(エクレストン)が開催を予定していたF1人気低下対応策の協議会が延期となったのは、それが理由のひとつと考えられる。

F1チームは今や、大きくふたつに分けられる。覇権を争うグループと、生き残りに必死のグループだ。ふたつの派がそれぞれの目的を果たさなければならないのはもちろん、その先には大きな目標が存在する。F1の立て直しだ。若者を中心に新しいファン層を掘り起こし、より効果的なプロモーションとメディア戦略で新規スポンサーを獲得するのである。

以上を達成するには、おそらくまた規則の書き直しが必要だろう。誰にとっても明白で、理解しやすい規則が求められる。

その前に、まずは休暇だ。さまざまな疑い、めんどうなゴタゴタ。それらは第13戦イタリアGP(9/5-7)以降、どう展開するのだろう。何かを変えるために、F1は歴史的な一歩を踏み出せるだろうか。

では皆さん、よい夏休みを!

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