2014年のF1は、ダニエル・リカルド(レッドブル)やバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)に代表される有望な新鋭がめじろ押しだ。
そこで、ドイツのF1テレビ中継で解説を担当する元F1ドライバー、マルク・スレールに話を聞いてみよう。彼がF1チームを運営するとしたら、誰と契約するだろうか。
「(ダニール)クビアト(トロロッソ)だ」と、間髪をいれずドイツ『Speedweek(スピードウィーク)』に答えるスレール。
クビアトはロシア出身で、ようやく十代を卒業した若手だ。
「彼こそ将来を背負って立つ男だ」と、スレールはいう。
「バルテリ・ボッタスはテストドライバーとして一年の準備期間があったが、クビアトは下位カテゴリーのGP3からいきなりF1に上がったのだ。いきなり大舞台に立たされても、みごとに仕事をこなしているじゃないか」
「そこがすばらしいと私は思う」
彼は、リカルドやセバスチャン・ベッテル(レッドブル)など優れたドライバーを次々と輩出するレッドブル若手ドライバー育成プログラムの新星だ。
もっかレッドブルの姉妹チームであるトロロッソに所属するクビアト。同チームを率いるのはオーストリア人のフランツ・トストだ。
トストは今週、次のように語った。「彼はすばらしい仕事をしている。開幕前、(トラブル続きのテストで)いかに走り込みが足らなかったか考えると、みごとな運転ぶりだ。彼のスピードは天性のものだね」
「同じく重要な点として、彼は事故を起こしたことがない。失敗もゼロだ」
クビアトの成長ぶりで、F1ドライバーとしての将来を脅かされているのが僚友ジャン-エリック・ベルニュだ。トロロッソで三年目の彼は今季、クビアトにお株を奪われたかっこうである。
もうひとりレッドブルの若手で次にF1昇格しそうなカルロス・サインツJr.の存在も気になる。
「彼(ベルニュ)は信頼性の問題でかなり足を引っ張られている。だが、マシンさえ普通に走ればいいパフォーマンスを見せてくれる」と、今週ベルニュについて質問されたトストはいう。
「経験がものをいって、彼は開発面で重要な貢献を果たしている。これからさらに成長すると確信しているよ」