ハミルトン、ハンガリーGP決勝には「新車」で臨むことに
メルセデスAMGのルイス・ハミルトンは、ハンガリーGP決勝（日本時間27日21時開始）に「新車」で臨むことになる。
■【結果】F1ハンガリーGP予選 Q1-Q2-Q3のタイム、周回数
メルセデスAMGの技術部門エグゼクティブディレクターであるパディ・ロウは、ドイツの『Auto Motor und Sport（アウト・モートア・ウント・シュポルト）』に対し、ハンガリーGP予選で燃料漏れによる炎に包まれたハミルトンのクルマは「ほぼすべて」がダメージを受けていたと明かしている。
現在のルールでは、全く別のスペアカーを準備することは許されていない。従って、メルセデスAMGのメカニックたちはスペアのモノコックを使ってハミルトンの新たなクルマを組み立てるために夜通しで作業が行われた。
予選をノータイムで終えていたハミルトンは、すでに最後尾からのスタートが確定していたため、実質的にエンジンとギアボックスの交換によるペナルティーを受けることはなかった。そのため、ロウとしてはパルクフェルメ規定を破り、一からクルマを組み立て直すことを選択した。
「決勝までに間に合わせるためにはパルクフェルメからクルマを出し、始めから組み立て直すしかなかった」と語ったロウは、さらに次のように付け加えた。
「あとで、（予選で燃えたクルマの）どのパーツが再利用可能かを調べることもできる」
このため、ハミルトンはハンガリーGP決勝をピットレーンからスタートすることになる。
言うまでもなく、これは2008年のF1チャンピオンであるハミルトンにとっては非常に厳しい状況だ。今季のF1タイトル争いに向けて、すでにハミルトンはチームメートのニコ・ロズベルグに14ポイントの差をつけられている。
さらに、今回エンジンを失ったことで、ハミルトンは今後すでに4基目となるエンジンを使うことになる。今季のレギュレーションでは1シーズンに使用できるエンジンおよびその構成部品は5基までと定められており、もし今後その規定数を超えてしまえば、ペナルティーを受けることになる。
26日（土）の予選後にハンガロリンクから宿舎へと向かったハミルトンは「本当に、信じられないね」と語ると、次のように付け加えた。
「これから重要なことは、どうやってこの状態から抜け出すかってことだよ。それが本当に大切なポイントだ」
