F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が、来シーズン以降はセーフティカーが導入された後の再スタート時に、これまでのように隊列を組んで走りながらスタートするローリングスタートではなく、レース開始時と同じように、グリッドに停止した状態からスタートするスタンディングスタート方式を採用することを承認した。
レースではスタート時が非常に緊迫するものであり、F1が来季からセーフティカー導入後にもこのスタンディングスタート方式が提案されたのは、人気低迷が叫ばれるF1の見どころを増やし、魅力を強めていこうという考えがあるためだ。
このルール変更案が、26日(木)にミュンヘンで行われたFIAの下部組織、世界モータースポーツ評議会において正式に可決された。
だが、このルール変更については、F1関係者全員が支持しているわけではない。いったんレースが開始された後で、再びグリッドに停止した状態からレースを再開することはあまりにも「人為的」過ぎるという意見や、見せ場を多くするために安全性を犠牲にするものだというような懸念や反対意見が上げられている。
例えばレッドブルのダニエル・リカルドは、この変更により、その時点でレースをリードしていたドライバーにとっては不公平なものとなり得ると考えている。
「たぶんそれによってもう少しワクワクするものにはなるだろうね。スタンディングスタートにすることで、変化が起こる可能性があるからね」
そう語ったリカルドは、次のように続けた。
「今のやり方でもそれほど悪いとは思わないけどね。観客にとってはスタンディングスタートのほうが面白いかもしれないけれど、あまり公平な考えだとは思えないよ」
一方、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は、カート時代にはしばしばスタンディングスタートでレースが再開されていたことを思い起こしながら、イギリスの『Sky(スカイ)』に次のように語っている。
「僕はどちらも経験しているし、僕にとってはどちらにしてもあまり違いはないと思う。僕はどちらでも構わないよ」