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「戦う相手はリカルドではない」とベッテル

2014年06月20日(金)0:45 am

2014年シーズンのF1はここまでメルセデスAMGが圧倒的な強さを誇っており、今季のタイトル争いも現実的にはすでにニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンの2人に絞られたと言っても過言ではないだろう。

このメルセデスAMGのチームメート同士によるタイトル争いのゆくえに注目が集まる一方、レッドブルのチームメート対決の方にも関心が寄せられている。

これまで4年連続でF1チャンピオンに輝き、昨シーズン後半には9連勝という前代未聞の記録を達成してみせた絶対王者のセバスチャン・ベッテルだが、今季はここまでジュニアチームのトロロッソから昇格してきたダニエル・リカルドとのチーム内対決にも後れをとっている状態だ。

すでに、リカルドがベッテルをレッドブルのナンバー1ドライバーの座から引きずりおろしたと論じる者もいるが、現在の状況をよく知る内部関係者は、必ずしもそうした意見に同意しているわけではない。

リカルドと同じオーストラリア出身のドライバーであり、昨年までベッテルのチームメートであったウェバーは、リカルドのここまでの活躍をたたえながらも、ベッテルをあまり甘くみてはならないと警鐘を鳴らしている。

ウェバーは、『Fairfax Media(フェアファクス・メディア)』に次のように語った。

「(リカルドは)最初の4、5か月はすごくいい仕事をしたよ。だが、セブ(ベッテル)は信頼性の問題で厳しいレースを強いられていた」

「彼らを比較するには、今後どうなるか何年か見ていく必要があるよ。実際のところ、まだシーズンは始まってから5分くらいのところだからね」

そう話したウェバーは、次のように付け加えた。

「でも、ダニエルだってこれ以上のことを成し遂げることはできなかったよ」

これまでのベッテルとリカルドの戦いについて、ウェバーと同様の分析をしているのは、レッドブルのドライバー育成責任者であるヘルムート・マルコだ。

「彼らは同等だ」、とマルコは『Speedweek(スピードウィーク)』に語る。

「我々は常にそうしてきている。2人の速いドライバーはチーム内で公平に処遇される。だが、現在の印象は技術的問題によってゆがめられているんだ。それが主にベッテルのほうに起きているからね」

だが、マルコは、ベッテルが今シーズンは自分自身の士気をなかなか高められずにいたことを認め、次のように続けた。

「4回もF1チャンピオンになった者としては、非常に高い期待を抱くものだ。そして最初のテストでエンジンのパワーがまったくないと分かったとき、それを我慢するのは非常に難しいことだからね」

そのマルコから「何とか頑張れ」と喝を入れられたベッテルだが、現実的には5年連続のF1タイトル獲得はすでにあきらめるしかないと認めざるを得ない状況だ。

「今年はこれまでとはいろんなことが違っているし、残念ながら、僕にとってはここまであまりいいシーズンにはなっていない。クルマに重大な問題を抱えていたからね」

18日(水)にオーストリアの首都ウィーンで行われたイベントに参加していたベッテルはそう語ると、次のように続けた。

「ドライバーなら自分の最高の力を発揮したいと思うものだし、もちろんチームメートよりは前に出たいと思うものさ。でも、僕たちの本当の目標はライバルに追いつくことなんだ」

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