今週、メルセデスを傘下に収めるダイムラーの会長を務めるディーター・ツェッチェが、F1ではフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が「恐らく最高のドライバーだろう」と語ったと報じられている。
現在、メルセデスのワークスチームであるメルセデスAMGは2014年のF1シーズン序盤を圧倒的な力で支配している。
最近、F1関係者の間には、メルセデスAMGがかつてマクラーレンで悲惨な結果を招いたドライバーラインアップをよみがえらせることに興味を持っているかもしれないとのうわさが流れている。
それは、来年メルセデスAMGではニコ・ロズベルグをはずし、現在今季のドライバーランキング首位に立っているルイス・ハミルトンと、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)を組ませるかもしれないというものだ。ハミルトンとアロンソは2007年にマクラーレンでチームメートの関係にあったが、この年、2人の関係は非常に悪化し、アロンソは契約期間中途であったにもかかわらず、1年限りでマクラーレンを離脱していた。
うわさによれば、2010年からフェラーリで戦い続けているものの、今のフェラーリにはF1タイトル獲得の可能性がないと見限ったアロンソは、2015年にはメルセデスAMGか、あるいはマクラーレンへの移籍を視野に入れているのではないかと言われている。
だが、メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダや、ビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、そうした推測を否定している。
ところが、そうした中、ダイムラーの総帥であるツェッチェは20日(火)に次のように語った。
「現時点では恐らくアロンソが最高のドライバーだろう。少しばかり競争力に欠けるクルマに乗っているにもかかわらず、その能力を示してみせている」
ツェッチェはさらに、スペインの『EFE通信』に対し、今季から新たなV6ターボエンジンの導入に踏み切ったF1においては、今まで以上にドライバーの技術が重要になるだろうと次のように語っている。
「新しいハイブリッド・パワーを操れる者が非常にいいドライバーということになるはずだ。クルマはもはやかつて我々が目にしてきた“トロッコ”のようなものではないからね」
「現在のクルマは非常に面白いよ。ここまで同じチームが毎回優勝しているとしても、私にとっては退屈ではないね」
ほほ笑みながらそう語ったツェッチェは、次のように付け加えた。
「メルセデスAMGと同等のパフォーマンスにするようほかのチームも頑張らないとならないよ。我々にももっと改善できるところはたくさんあるがね」