F1最高責任者のバーニー・エクレストンに対する汚職容疑での刑事裁判が24日(木)からいよいよドイツで始まった。だが、苦境に立たされてはいるものの、エクレストンはそのユーモアのセンスを失ってはいなかったようだ。
F1を運営するという仕事も失い、数億ドルに及ぶといわれる罰金刑や投獄の可能性すらもあるといわれているエクレストンだが、裁判所に到着した際には笑顔を見せていた。
「自信があるよ。太陽も出ているしね」
自身の弁護チームを脇にしながら、エクレストンはミュンヘンの記者団にそう語りかけた。
エクレストンは、法廷内でも陽気だった。裁判官に、結婚しているか、あるいは離婚したのか、と尋ねられたエクレストンは、「どちらも! だが、離婚したほうもよく思い出す」と明るく答えた。
すると、裁判官もほほ笑みを浮かべながら、「ここまではやさしい質問だった」と返したという。
裁判の初日である24日には、主にエクレストン側が用意した供述書による抗弁が中心として行われた。その中で、エクレストンはすでに投獄されている元銀行家のゲルハルト・グリブコウスキーによって脅迫されていたと主張している。
エクレストンは次のように語った。
「彼(グリブコウスキー)が金を求めていたのは明らかだった」
「私はしばしば自分の弁護士たちに尋ねていたよ。恐喝を意味するドイツ語はあるのか、とね」